2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K12052
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
望月 義彦 早稲田大学, 理工学術院, 主任研究員(研究院准教授) (00609191)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 尺度空間解析 / 高階エネルギー最小化 / グラフカット / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフカットによるエネルギー最小化問題は,コンピュータービジョンやパターン認識において広く扱われるが,その解法の制約やエネルギー設計の難しさから,実用的には比較的単純なもののみにとどまっている.解法は実用的なレベルになっているが,エネルギー自体の設計方法については,理論的な方針がない.一方で,過分割処理により問題を単純化することで,精度や計算量の面で大幅な改善がみられることが分かっている.本研究では,入力データの構造を基にしたエネルギー設計を実現するために,尺度空間解析による階層的な全自動の構成手法を提案し,医用画像や動画像などへの応用を通して,実用性を検証する. 本年度は,理論的な解析を主に行い,先行研究の調査を行った.三次元医用画像に対する複数臓器の同時領域分割の例では,高階エネルギーの具体的な設計と同時確率分布の学習によりある程度の結果改善が見込まれたが,従来法で行われているスーパーボクセルによる高階項の緩和が重要である.関連研究で行われているいくつかの手法がどのように精度に影響しているかを調査した. また,尺度空間解析の理論的な側面の調査として,深層学習による方法が活発に研究されてきている.これらの手法が,エネルギーの自動設計にどのように役立てられうるかを評価するためのツール開発および検証を行っている.今後は,具体的なパターン認識や構造復元問題に適用し,理論的な解析を行う準備を進める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,在籍する期間の最終年度であったため,その準備等で時間に制約が生じた.また,新型コロナウイルスに関わる大学への入構制限および物品調達の困難さが生じた.そのため,理論解析を主に行うにとどまった.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度購入予定だった計算資源を調達し,理論的な解析結果を数値実験により検証する.具体的には,これまでの成果を元に,高階エネルギー項の実験的な調査と,同時確率分布を基にした理論的な高階項の設計を行う.どちらも,効率良く行うためのソフトウェアを開発と,また大規模実験を実時間で行えるように大容量メモリを搭載したマシンが必要と考えらえる.また、本成果を物体復元などの既存手法に適用することを検討する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスに関わる大学への入構制限などにより,物品調達が困難となり,当初予定していた計算機の購入を見合わせた.次年度は計画通り購入を予定している.ただし,次年度については緊急事態宣言などが引き続き発令されているため,研究調査などの移動が制限されることが予想される.
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Research Products
(1 results)