2019 Fiscal Year Research-status Report
形状変化デジタルサイネージ:カタチと動きがもたらす効果の解明
Project/Area Number |
19K12061
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
木下 雄一朗 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (70452133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郷 健太郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (50282009)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 形状変化ディスプレイ / 公共ディスプレイ / 目立ちやすさ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、形状変化可能なディスプレイをデジタルサイネージに適用するという新たなアプローチにより、通行者がサイネージの存在を認知できない、存在は認知されていてもインタラクションが起きないといった既存のサイネージにおける問題を解決する。具体的には、ディスプレイ形状を通行者の状況に応じて動的に変化させることで、サイネージの存在への認知向上を図る。 2019年度は、デジタルサイネージで実現可能な多様な形状変化を収集するため、14名の実験協力者を対象とした形状変化収集実験を実施した。実験協力者は通行者の距離・方向といった条件を組み合わせた複数のシナリオそれぞれについて、サイネージの存在を通行者に認知させるのに最適だと考える形状変化を考案し、モックアップを用いてそれを表現した。考案された形状変化を、特徴ごとにまとめた結果、28の種類の形状変化を得た。シナリオごとに収集された形状変化を比較することで、それぞれについて適した形状変化を考察した。 また、実験で収集された形状変化の物理的特徴を決定づける6種類のパラメータ(形状変化位置、形状変化速度、形状変化角度、など)を抽出し、形状変化のデザイン空間を明らかにした。 さらに、抽出された各パラメータ、通行者の状況(人数、サイネージからの距離、など)の各変数から、このときのサイネージの目立ちやすさを推定する数値モデルを実現した。このモデルにより、周囲の状況に応じてディスプレイ形状を動的に変形させる基盤が実現された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画であった「Phase 1: 周囲の通行者の状況に応じて動的に形状変化するデジタルサイネージの基盤実現」をほぼ計画通りに実施した。 また、次年度以降の研究実施計画に関する準備も行った。Phase 2, 3 で行う形状変化評価実験やデジタルサイネージのプロトタイプ構築に先立って、液晶パネルを模したモックアップディスプレイにより動作機構の試作を行うとともに、アクチュエータの動作試験を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度の研究成果に基づき、Phase 2 として、複数の実験協力者を対象とした形状変化評価実験を実施し、形状変化可能なサイネージの動きを決定するパラメータ(形状変化位置、形状変化速度、形状変化角度、など)の通行者への効果を解明する。また、Phase 3として、デジタルサイネージのプロトタイプを構築する。これを実使用空間に設置し、サイネージの形状や動きが通行者にどのような効果をもたらすのかを分析する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症により、3月に予定していた国内学会の現地開催が中止となり、旅費支出の計画が急遽変更となったため。次年度以降も、新型コロナウィルス感染症により国内外の学会の現地開催は危ぶまれているため、当初計画していた旅費は、論文投稿費用として使用する予定である。
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