2019 Fiscal Year Research-status Report
Design of Ice Melting Activities Built into Collaboration Systems
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19K12062
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西田 健志 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (20582993)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コラボレーション / エンターテインメントコンピューティング / 消極性デザイン / アイスメルティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、人を一足飛びに打ち解けさせようとするアイスブレイクに対して、コラボレーションを行う中で副次的に行う活動によって緩やかに人間関係を構築することを支援するアイスメルティングのデザインを行う。初年度である本年度は計画に沿って、候補となる活動のプロトタイピングに着手し、その影響を観察した。 1. GitHubにおいて公開されている実践的なソースコードを活用することでクイズや占いといった複数人で楽しめる活動を自動生成するシステムの研究を行い、これまでの成果についてEC2019等で発表を行った。この活動はすでに書かれているソースコードを読むだけの手軽さがあるため日常的な活動の隙間に取り組みやすく、プログラミングの初心者と中級者以上が混在しているチームにおいてプログラミングに関連する雑談を生じさせることが観察された。 2. SNSなどのテキストコミュニケーションの中で生じる偶然の一致を検出して、その一致に関わった当事者たちに通知することで、それまであまり深い関係になかった人どうしが仲を深めるきっかけを作るシステムの研究を行い、これまでの成果について情報処理学会EC研究会で発表を行った。Twitterに日本語で投稿している全ユーザを対象として、同じタイミングで同じ書き間違いをしているケースを検出・通知するというデザインを試行し、およそ1日1件程度の奇遇であることがわかった。初期的な実験により、コラボレーションシステムに組み込むことを想定しての改善点を検討した。 3. コラボーレションの参加者がそれぞれ個別に作成したメモを集約したワードクラウドを作成することで互いに興味を緩やかに伝えあうシステム、閲覧したニュースサイト記事のカテゴリを記録して利用者にフィードバックするシステムなど、ユーザの行動記録に基づいた活動のプロトタイピングを行い、EC研究会でこれまでの成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画どおりに、アイスメルティング活動候補のプロトタイピングを進めることができ、アイスメルティング活動をデザインする上での設計指針に含める項目の候補を挙げることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
当面は対面で集まってのユーザ実験を実施できる見通しが立たない状況である。対面で会うことがない状況で人間関係を構築することは難しいため、そのような状況でもオンラインで利用できる人間関係構築支援活動に需要があると思われる。本研究課題においても当面はオンラインでの活動デザインを重点的に研究していく。
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Causes of Carryover |
(理由)年度末に研究会での発表を予定していたが、現地での開催が中止となったため、その為に予定していた旅費を使用できなかったため。 (使用計画)オンラインでのコラボレーションに頼る状況が長期化することを想定して、オンラインでのコラボーレションについての実験を行うためのVPS使用料金等への振替を模索する。
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