2019 Fiscal Year Research-status Report
自己像提示による身体的アバタコミュニケーションシステム
Project/Area Number |
19K12067
|
Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
石井 裕 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (30372642)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 身体的インタラクション / アバタコミュニケーション / コミュニケーション支援 / ヒューマンインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,対話者の身体的情報を反映したアバタを身体的アバタと表現し,この身体的アバタを介したコミュニケーションにおいて,より効果的な支援システムの開発を目的に検討を行っている.仮想空間において,アバタの影に対話者の身体動作と,対話音声から自動生成されたうなずき反応を重畳合成する身体的引き込みアバタ影システムを開発し,有効性を確認している. しかし,対話者のアバタ実体もしくはアバタ影の頭部動作に自動生成によるうなずき反応を重畳合成した場合,内容を制限しない自由対話による評価実験では有効性が示されたものの,話し手・聞き手を決めた役割対話において聞き手側では期待されるほどの効果が得られなかった.そこで役割対話においてもアバタ影のコミュニケーション支援効果を与えるため,聞き手側を支援する植物型オブジェクトを同一空間で身体引き込み反応させることで,植物型オブジェクトの存在が対話支援効果を示すのか検証を行った.植物型オブジェクトとアバタ影・アバタ実体の身体引き込み反応が与えるコミュニケーション効果について,自由対話と役割対話の2種類の実験を行い,アバタ影と植物型オブジェクトの両方を提示することで聞き手に対する違和感が軽減でき,話し手・聞き手双方にとって良い支援方法となっていることが示された. さらに,ユーザらの発話および相互インタラクションによって膨張する閉空間が両者を包み込むことで,一体感が感じられる対話システムを開発した.システムを用いた評価実験の結果,発話伝達・蓄積表現のコミュニケーション支援効果を確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の課題としているアバタ影コミュニケーションシステムを用いた自己-他者モデル化に対して,身体的引き込みを相手と自己のアバタ自体に導入した場合と比較して,アバタ影あるいは植物型オブジェクトによる同期提示として導入した場合の効果を検討し,効果を確認するとともに,視線行動によるインタラクション主体を解明する検討も進めており,研究課題を順調に進展している.
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究ではシステムのコミュニケーション効果を探る目的で,被験者実験による対話評価を行ってきたが,新型コロナウイルスCOVID-19の蔓延により実験評価を行うことができないため実験対応に苦慮している.逆に,オンラインでのビデオ対話の需要が高まっており,研究計画に即してこれらに対応したシステム開発を進めていくことを計画している
|
Causes of Carryover |
(理由)年度末の研究発表,研究打ち合わせ参加を見送ったため. (使用計画)次年度国際会議のオンライン発表の際の英文校正費等に充てることを予定している.
|
Research Products
(5 results)