2020 Fiscal Year Research-status Report
一人暮らし高齢者の孤独を防ぐagent仲介型の遠隔コミュニケーション場の研究
Project/Area Number |
19K12070
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
大島 直樹 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 講師 (30732820)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 博人 東京電機大学, システムデザイン工学部, 教授 (00328519)
徳永 弘子 東京電機大学, システムデザイン工学部, 研究員 (00747321)
武川 直樹 東京電機大学, システムデザイン工学部, 教授 (20366397)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 家族 / コミュニケーション / 心理 / 遠隔 / リモート / 独居 / インタフェース / エージェント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「従来の遠隔見守り支援技術のメリットに加え、精神的な繋がりをサポートすることを目標に、人間とは異なるagentが遠隔家族間をとりもつことで、遠隔地に居住する高齢家族とその子供家族との間でのコミュニケーションを協調的に繋ぎ、高齢者の社会的孤立を防止するICT基盤技術を構築する」ことである。2019年度には「そのための実験環境の整備を行う」ことができた。2020年度は、「実験システムの介入により子ども家族側のニーズに対応した効果が生じることを確認するための実験を実施する」ことを研究実施計画に記載しており、この当初の計画の通りに、子ども家族の実証実験を行った。
具体的には、2020年度の研究実績は次のとおりである。(1)本共同研究チームが独自に開発した「リビングセンサ」、及び、「キッチンセンサ」の二つを子供家族に2か月間設置し、ネットワークを介してクラウド上のデータベースにセンサデータを蓄積し、動作確認した。また、(2)このデータベースの情報に基づき、高齢家族に子供家族の行動情報をプライバシーに配慮して、遠隔家族間のコミュニケーションをとりもつ「AIチャットボット」を構築した。家庭のパブリックルームなどに設置することができるスマートスピーカー型のデバイスとしての実装も検討した。また、(3)このAIチャットボットの会話生成のためのデータベース技術を整備した。さらに、(4)子供家族の各ニーズやユーザビリティに対応するように、システムの操作方法や動作パラメータなどのインタフェース部分を改良した。(5)2か月間の実験に基づき、子供家族から高齢家族への会話頻度の変化(チャット文字数,電話通話回数)の増減を比較することにより効果を定量的に検証した。また、(6)家族の価値観の変容,連帯感の変化,家族への従事度の変容等を,質問紙を用いて測定した。(7)以上の成果を関連学会で発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画の通り、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究実施計画の通りに研究を実施する予定である。しかし、国内外の情勢により、出張等の必要性はオンライン会議を併用するなどして、適切な判断を心がける。そのうえで、国内学会・国際会議に積極的に応募し、研究成果の共有、情報交換を行いたい。また、実証実験についても、可能な限り当初の計画通りに進めるが、対面での実施が困難な状況も想定される。その場合には、実験機材の郵送やオンラインでの面接などの対応方法を検討し、柔軟な対応を心がける。
|
Causes of Carryover |
当初予定していた学会出張や研究出張のキャンセルが生じたため、当初想定の使用額を下回る結果となった。この差額分については、次年度に必要な出張を計画しており、こちらで当初の目的と同じ目的で適切に使用する予定である。
|
Remarks |
本研究課題に関する今年度までの研究成果について、電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーショングループ「HCGシンポジウム2020」にて発表したところ、「優秀インタラクティブ発表賞」と「オーガナイズドセッション賞(食メディア)」を受賞した。来年度の研究実施に向けて、当該分野の研究者・専門家との建設的な意見交換ができた。
|
Research Products
(4 results)