2021 Fiscal Year Annual Research Report
人と機械が調和した交通社会実現のための運転支援技術の開発
Project/Area Number |
19K12074
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
多田 昌裕 近畿大学, 理工学部, 准教授 (40418520)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人と機械が調和した安全運転支援 / 運転支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
自動運転技術は,事故原因の大半を占めるヒューマンエラーによる交通事故減少に寄与することが期待されている.一方,それまで人が担っていた運転タスクの多くの部分を機械が代替してくれることが機械への過信を生み,ドライバーの不安全行動を誘発するなど新たな事故リスクにつながるおそれも指摘されている.本研究では,機械が人のタスクを代替することが人の振る舞いにどのような影響を与えるのか明らかにすることを目指す.さらに,ウェアラブルコンピューティング技術を活用してドライバーの行動を常時計測・評価し,ドライバーが本来果たすべき周辺監視を怠るなど自動運転の負の影響の兆候が認められた際にはリアルタイムに情報介入を行うことで,人と機械が「もたれ合う」のではなく,人と機械が調和した安全運転支援を目指す. 本年度は,画像処理技術を用いて運転中の顔向き角度を計測可能なドライバモニタリングセンサを協力者26名の自家用車に設置し,日々利用している道路環境下で延べ737日間,総走行距離14,233kmの日常運転行動データを計測・収集した.収集した運転行動データのうち,生活道路一時停止交差点に着目,解析した結果,交差点直進時運転行動の22.8%で左右両側に対する安全確認が不十分であり,出会い頭事故のリスクを高める行動をしていることが分かった.交差点右左折時には両側への安全確認がなされない事例は少なかった一方,46.8%の運転行動において左右どちらかに対する安全確認が不十分であり,他車両や歩行者,自転車との衝突リスクを高めかねない周辺監視レベルの低下が認められた.以上の知見をもとに,ドライバモニタリングセンサを用いて周辺監視レベルの低下が生じやすい生活道路の交差点の運転行動を計測し,周辺安全確認が不十分であればその旨をリアルタイムに安全アドバイスとして提供するシステムを構築した.
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