2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation and application of balanced sense abnormality mechanism in virtual space by force controller triggered by Bereitschafts potential detection
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19K12075
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Research Institution | Oita National College of Technology |
Principal Investigator |
鶴 浩二 大分工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (70390549)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | VR酔い / 動揺病 / 平衡失調 / 重心揺動 / 姿勢揺動 / アンケート / SSQ |
Outline of Annual Research Achievements |
仮想現実 (VR) 技術の進展により様々な産業分野でVR技術が使われるようになってきた.しかし,ゴーグルやコンピュータ画面を通してVR 映像を見ていると,感覚に違和感を感じたり不安感を持つといった『VR 酔い』という現象が,比較的多くの利用者に発生することが知られている.この原因は,視覚から入ってくる情報と実社会で過去に体験した経験 (記憶) に基づいて予想される力覚や慣性力,平衡感覚に対して,VR視聴している時には,外部から何も力を感じることがなく,感覚差異が原因と考えられている. そこで,動作の起こる前に発生する脳波の一種である運動準備電位を用いて,この脳波と感じる意識との時間差を利用して,擬似力覚を提示することで『VR 酔い』の抑制を行えるか実験を行う.そして,この実験を通して『VR 酔い』の原因と抑制方法を解明し,さらに擬似力覚による脳の錯覚と馴化によるVR酔いを低減する技術の開発を目指す.そこで,2019年度はまず,主観的な感覚である『VR 酔い』を外部から計測して,数値化できる評価方法の実現を目指して,重心揺動と姿勢揺動を測定して,変動を数値化して評価し,被験者の主観的評価である実験後のアンケートとの関係を分析した.その結果,外部からの計測で『VR 酔い』の程度を推定できることが分かった.また,脳波の運動準備電位の測定をアクティブ脳電極を用いて行い,複数の被験者にお願いして,手の動きと脳波の関係を調べ,測定準備や解析方法について調べた.これらの実験結果から,『VR 酔い』を脳波を用いて抑制する実験を次年度以降行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,主観的な現象であるVR酔いを映像などを用いて,外部から評価できるVR酔いの程度を示す指標を①重心揺動と主観アンケート②深度カメラ(kinect)による身体揺動と主観アンケートをもとに評価した.①の実験では,CGで作成した荒れた道を走る車の助手席に乗車している映像を,被験者に重心揺動測定器の上に立って,VR ゴーグルを通して見ていただいた.その時のx-y軸の重心揺動を測定し,また,②の深度カメラを用いた実験でも,同様の動画を立位でゴーグル越しに見てもらい,その時に取得した全身画像から姿勢推定を行い,揺動を測定した.その結果,①の実験による重心動揺データがVR酔いの指標として有意であることを確認した.また,アンケート結果を因子分析で評価した,サンプル数が少ないため重心動揺と主観アンケートから計算した総合スコアの信頼性は高くはなかった.また,②の実験から求めた姿勢揺動や体の回転と主観アンケートの結果からVR酔いを評価した結果,姿勢揺動を見ることでもVR酔いの程度を判別できることを明らかにした. 当初の計画では,次年度の実験に向けて,疑似力覚を感じさせる装置の開発を行う予定であり,振動発生装置や増幅器等部品の準備は行った.しかし,どのような構造や配置が被験者にとってVR酔い抑制に有効なのかを評価できるように,VR酔いの評価インデックス作成に注力したため,疑似力覚装置作製には至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
運動を始める前に発生する脳波である運動準備電位の賦活位置情報から,四肢の運動を推測する方法を開発する.本研究では,脳波賦活位置である運動前野,補足運動野,一次運動野,体性感覚野の両側位置に電極を設置して,運動野の両側性賦活および対側優位の電位変化から四肢の運動を推定する.推定には脳波バイオメトリックスで研究を行っているニューラルネットワークを用いた機械学習の手法を適用する.さらに被験者に協力していただいて,事前学習による四肢推定方法を開発する.また,脳波による動作推定とともに,筋電の変化によって,動作推定する方法も検討する. VR による加速度による慣性力を擬似力覚装置で体感できる装置を開発し,VR酔い抑制に有効性を評価する.さらに,該当部位に擬似力覚を与える時間差を制御することによって,脳が感覚不一致を起こすことなく受容できるシステム構築を目指す.この装置で繰り返してVR体験することにより,馴化される過程も明らかにしたい.
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Causes of Carryover |
疑似力覚を感じさせる装置の開発を行う予定で,振動発生装置や増幅器等部品の準備は行った.しかし,どのような構造や配置が被験者にとってVR酔い抑制に有効なのかを評価できるように,VR酔いの評価インデックス作成に注力したため,疑似力覚装置作製には至らなかった.
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Research Products
(4 results)