2020 Fiscal Year Research-status Report
Realization of High-speed Character Input by EEG Discrimination Using Deep Learning and Visual Feedback
Project/Area Number |
19K12077
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
深見 忠典 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (70333987)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | BCI / 脳波 / 文字入力 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,脳波を用いて情報を計算機に入力するため,ディスプレイ上に選択肢を呈示することにより得られた脳波応答から,被験者が入力を意図する一つの選択肢を推定する。呈示された選択肢が入力対象であるか否かを判定するためにP300と呼ばれる脳波成分に着目しているが,昨年度の研究において,臨床データで,その判別にはある程度の電極数が必要ではあるものの,深層学習により単一の応答波形に対して80%以上の精度で判別可能であることを確認した。また,計測中に出現した脳波応答に対する評価を被験者にフィードバックすることで精度向上につながることを確認した。それらを踏まえ今年度は,次の3点において研究を実施した。1つ目は判別精度を下げることなく電極数を可能な限り減らすこと,2つ目は少ない応答数(短い計測時間)で,判別精度を向上すべく顕著なP300を抽出する方法について検討すること,最後の1つは,計測における被験者へのフィードバックにおいて,より判別精度の高い刺激呈示方法を探索することである。 1点目については,時間方向と空間方向それぞれへの畳み込みのネットワーク構造をもつ脳波解析に適したEEGNetを用いることで,3電極で82.2%の精度を得ることができた。2点目については,深層学習を用いた加重平均法を考案し,従来の加算平均法の結果と比べ,P300の形状や頂点潜時に大きな影響を与えることなく,計測時間を約13%短縮しつつ,頂点振幅を約14%増大することができた。3点目については,フィードバック刺激の呈示方法として,対象物体の色を変化させるよりもその大きさを変化させた方が性能向上が見込めることを確認した。ただし,それは全被験者の70%に対して有効であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
深層学習の使用において,十分なデータ数とは言えないが,地道な収集を続けており,データ量は着実に増えている。使用データを類似の臨床データで代替することにより,想定していた結果が得られていることから,順調に研究が進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き,深層学習を適用するにあたり,脳波計測を行い,学習データ量の増加に取り組む。それと並行して,これまで得られた臨床データに対する知見を活かしながら,転移学習により少数データでも高精度の判別結果が得られるよう努める。また,被験者へのフィードバック刺激呈示方法については,高い判別精度でより多くの被験者に対して良い結果が得られるよう改良を重ねる。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた学会がすべてオンライン開催となったため,旅費等の支出がなく大幅な次年度への繰り越し額となった。次年度の学会の開催形式により使用額が変動するが,研究課題の最終年度であるため,主に成果報告のために使用したいと考えている。
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