2020 Fiscal Year Annual Research Report
ウェルビーイング実現に向けたITによる気質に応じた良姿勢習慣動機付けの有効性評価
Project/Area Number |
19K12083
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上岡 玲子 早稲田大学, 理工学術院, 客員主任研究員 (30401318)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 良姿勢誘導 / 自発的姿勢改善 / 触覚刺激フィードバック / 姿勢検出 / 作業効率向上 / 行動誘導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ウェルビーイング向上の具体的取り組みとして座位姿勢での作業時の良姿勢誘導とその維持を目的に,作業椅子の座面に内蔵された圧力センサーとパソコンに接続されたUSBカメラから収集されたデータを用いた自然な作業環境下での姿勢検出システムと,悪姿勢時に作業を妨げない良姿勢誘導,および良姿勢時継続時,意図的に姿勢を変えリラックス誘導する機能を持つ圧縮空気により形状変化するエアークッションを製作し実装した.また,長期に姿勢とリラックス状態を誘導することで姿勢改善および作業効率に影響があるのかを検証するために4名の被験者を対象に1日2時間の座位作業を2回,合計10日間の長期実証実験を行った. 姿勢検出に関しては,昨年度の研究結果をもとに学習モデルとデータセットの改良によって着座姿勢推定の精度を高め,座位姿勢作業時の一般的不良姿勢として骨盤前傾・後傾と頸椎をパソコン画面に必要以上に近づけることで生じるストレートネックの状態を実時間で検出できるニューラルネットワークモデルを構築した. 触覚刺激提示装置に関しては,座面と背面にそれぞれ形状の異なるエアークッションをナイロンポリを用い製作し,座面は,骨盤が傾いた不良姿勢時に体重がかかっていない座面へ局所的に空気を充填させ不安定な形状にすることで,人が座面を座りやすくするために姿勢を自ら修正し,充填した空気を抜くために身体を動かすことを誘導し,結果,姿勢改善できる効果を狙った設計にした.背面クッションは主に良姿勢が継続した場合に身体の硬直を和らげる空気を充填できるエアークッションを設計した. これら姿勢検出システムと触覚刺激呈示装置を統合し,姿勢改善と作業効率向上の効果を10日間の実証実験より検証した.結果から,悪姿勢出現低下,主観評価による作業の質向上にある程度効果が見られ,変形したクッションの快適性には一定の評価を得ることができた.
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