2021 Fiscal Year Research-status Report
Efficient generation algorithms for geometric graph classes
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19K12098
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 寿樹 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (00590390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 純 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (20572473)
吉仲 亮 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (80466424)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アルゴリズム / 辺削除問題 / グラフクラス / 列挙 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は幾何的特徴を持つグラフを生成する効率的なアルゴリズムの開発を行っている.2021年度は辺削除アルゴリズムに対する解析およびグラフ同型性を考慮したグラフ列挙アルゴリズムの開発を行った. 辺削除問題は与えられたグラフから辺をいくつか削除し,特定の性質を持つグラフになるべく少ない辺を削除して生成する問題である.この問題は特に区間グラフにおける辺削除問題は DNA の塩基配列の復元問題である Physical mapping への応用があるなど,様々な応用を持つ問題である.これまでに幾何的特徴を持つグラフとして区間グラフ,円弧グラフ,真区間グラフ,自明理想グラフ,しきい値グラフ上でのこの問題に対するアルゴリズムの開発を行っていたが,アルゴリズムに対する計算量解析が甘いところがあった.そこでより精細な計算量解析を行うとともに,提案したアルゴリズムの実装を行い,実験的な計算時間の算出を行った. 同型性を考慮した幾何的な特徴を持つグラフに対する効率的な列挙アルゴリズムの開発を行った.具体的には真区間グラフ,二部置換グラフ,補鎖グラフ,鎖グラフに対して,ZDD を用いて多項式時間のアルゴリズムを開発している.これらのグラフクラスのうち,真区間グラフと二部置換グラフは 2n ビットでの対応の取れた文字列として,また補鎖グラフと鎖グラフは n ビットの文字列で表現することができる.これらの文字列とグラフは1対1に対応せず,対称性を考慮する必要がある.対称性をうまく扱うことにより,効率的なアルゴリズムの開発に成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は区間グラフ上での辺削除問題に対する FPT アルゴリズムの高精度な解析および同型性を考慮した効率的なグラフ列挙アルゴリズムの開発を行った.これらの研究成果は国内での研究会等で発表し,いくつかの発表賞を受賞している.今後はこれらの成果をまとめ,査読付き国際会議および国際論文誌へ投稿する予定である.今後もこれらの成果をさらに発展させることが期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた研究成果を査読付き国際会議および国際論文誌へ投稿していく.また研究をさらに発展させていくために,これまで扱ってきた問題の拡張問題等を扱う.辺削除問題に対しては,グラフクラスを拡張していくとともに,応用における妥当な制約を考えていく.例えば,Physical Mapping への応用を考えるとき,グラフのクリークサイズなどはあまり大きいことを検討する必要はない.そのため,そうした制約を与えることにより,より効率的なアルゴリズムが開発できるかを検討する. また,同型性を考慮したグラフ列挙アルゴリズムに対しては,根付き木の列挙ができるかどうかが重要となる.これはグラフ同型性判定問題を効率的に解けるかどうかは,標準形となる根付き木が存在するかどうかと密接に関わるからである.しかし,標準形となる根付き木を列挙するには,子の順序などを考慮しなければならないため,それらの情報をコンパクトに表現することは難しい.こうした問題を解決するために新たな標準形の定義や根付き木に対する新たな性質の発見を目指す.
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Causes of Carryover |
対面による研究議論は詳細な内容を把握したり,より深い議論を行う上で極めて重要である.しかし,新型コロナウイルス感染症の影響により,対面による研究議論を実施することがあまりできていない.一方で,ワクチンの普及とともに,活動制限は次第に緩和されつつある.情勢を見極め,感染症対策に留意しながら,今後はより対面による研究議論を増やしていく.
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Research Products
(10 results)