2022 Fiscal Year Research-status Report
Efficient generation algorithms for geometric graph classes
Project/Area Number |
19K12098
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 寿樹 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (00590390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 純 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (20572473)
吉仲 亮 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (80466424)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 列挙アルゴリズム / グラフクラス / 展開図 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は幾何的特徴を持つ様々なグラフクラスに対して,ラベル付きおよびラベルなしのグラフを列挙するアルゴリズムを開発し,それらのアルゴリズムの高速化を行っている.2022年度は主に幾何的な特徴を持つグラフに対するグラフ同型性を考慮したグラフ列挙アルゴリズムと多面体の辺展開図の列挙アルゴリズムの開発を行った.
グラフ同型性を考慮した幾何的な特徴を持つグラフに対する効率的な列挙アルゴリズムの開発を行った.具体的には真区間グラフ,二部置換グラフ,補鎖グラフ,鎖グラフに対して,ZDD を用いて多項式時間のアルゴリズムを開発している.ZDD とは集合族を圧縮するデータ構造で,膨大な数のグラフ構造を高圧縮で表現することに成功した.これらのグラフクラスのうち,真区間グラフと二部置換グラフは 2n ビットでの対応の取れた文字列として,また補鎖グラフと鎖グラフは n ビットの文字列で表現することができる.これらの文字列とグラフは1対1に対応せず,対称性を考慮する必要がある.対称性をうまく扱うことにより,頂点数 n に対して,n の多項式時間で効率的に列挙可能であることを示した.
3次元の多面体を辺に沿って切り開いて2次元上に埋め込む展開図を考える.多面体の展開図は折り紙の基本的な構造として数学や工学などの分野で研究が進められており,代表的なものとして立方体には辺に沿って切り開くと11種類があり,それらは重なりを持たない.しかし,特定の多面体の切り開き方によっては展開図に重なりがある場合がある.これまでいくつかのアルキメデスの立体において重なりを持つ辺展開図が存在する/存在しない,ことが示されていた.本研究では,多面体に対する辺展開図を求めるアルゴリズムを開発し,それを応用することにより,すべてのアルキメデスの立体を含む整面凸多面体すべてにおいて,重なりを持つ辺展開の有無を示すことに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は幾何的な特徴を持つグラフに対するグラフ同型性を考慮したグラフ列挙アルゴリズムと多面体の辺展開図の列挙アルゴリズムの開発を行い,これらの研究成果は国内での研究会や査読付き国際会議で発表を行った.今後はこれらの研究成果をまとめ,国際論文誌へ投稿する予定である.今後もこれらの成果をさらに発展させることが期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた研究成果を発展させた拡張問題を扱っていく.本研究においてグラフ同型性を考慮したグラフ列挙アルゴリズムは拡張性が高く,これまでに頂点数だけでなく,辺数や最大クリークサイズなど,様々な制約を持ったグラフをわずかなアルゴリズムの変更で効率的に列挙できることを示した.今後は最大独立集合サイズや連結度など,他の特徴を持つようなグラフが列挙できないかを検討していく.
またグラフ同型性を考慮したアルゴリズムでは,列挙対象とするグラフが対応のとれたカッコ列と対応することを利用して列挙を行っている.すでにアルゴリズムを開発したグラフクラスでは同型なグラフは左右からの対称性のみを考慮すればよかった.しかし,同様にカッコ列との対応を持つ根付き木の列挙を効率的に列挙できるかがわかっていない.標準形となる根付き木を列挙するには,子の順序などを考慮しなければならないため,それらの情報をコンパクトに表現することは難しい.また根付き木の列挙が効率的に行えることに成功すれば,列挙対象を根付き木を特徴づけとして持つグラフクラスへの拡張が期待できる.こうした問題を解決するために新たな標準形の定義や根付き木に対する新たな性質の発見を目指す.
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Causes of Carryover |
対面による研究議論は詳細な内容を把握したり,より深い議論を行う上で極めて重要である.しかし,新型コロナウイルス感染症の影響により,対面による研究議論を実施することがあまりできていない.一方で,新型コロナウイルスの5類移行に伴い,活動制限は大きく緩和された.これに伴い,今後は積極的に対面による議論を増やし,研究を加速させていく.
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Research Products
(15 results)