2019 Fiscal Year Research-status Report
「逆」情報推薦による供給側の情報品質向上を支援する推薦システムの研究開発
Project/Area Number |
19K12114
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
陳 漢雄 筑波大学, システム情報系, 講師 (60251047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古瀬 一隆 白鴎大学, 経営学部, 准教授 (10291288)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 情報推薦 / クエリ属性改良 / 近傍検索 / 逆ランク / 検索アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で扱う情報はベクトルモデルとして表現され、ベクトルの要素に商品の様々な特徴やスペック、迷惑メールの固有な表現、観光地のセールスポイントなどが考えられる。また、消費者の嗜好も同じくベクトルで表現される。推薦は類似(近傍)検索に基づいて類似度のランキングにより行われるが、従来の研究では消費者に高品質な商品・情報を提供することが最大の目標である。これに対して、「逆」情報推薦は情報とその消費者の嗜好との(例えばベクトル同士の内積より算出された)合致度から利用可能性が高い人の集団を検出し、供給者に推薦する。 原始問題はNP困難であるため、クエリ点から最も近いオブジェクトを検索するという最近傍検索問題の中にNNH (Nearest Neighborhood) 問題からアプローチした。これは, 指定個数のオブジェクトのグループ(i.e. クラスタ) のコンパクト性, クエリ点との距離を合わせて比較、判断し、最適なグループを検索する問題である。しかし、これまでの研究では, グループがもつオブジェクトの個数を指定しなければならない。指定した数からいくつかオブジェクト数を増減したグループがユーザーにとってより望ましいことを考え、データの個数を指定しない最近近傍検索アルゴリズムを提案し、実装した。 逆情報推薦に応用するため、合成データを用いて予算内で最大の改良効果が望める商品をクエリ集合内から選択し、その商品の改良を提案し、手法の実験、検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画の通り、次のことについて研究が進み、成果を国内学会において発表した。 ・属性値の増減を考慮した時に最大限の改良ができるアルゴリズムを考案することや、ランクの定義の変更 (e.g. 集約ランク、ランクの最大値だけを用いる) ・平均ランクの下降を許すような最大限のコスト削減問題 (e.g. 廉価版商品に無用情報を除去) や、ユーザをグループ分けし、どのような属性改良をしたほうが有益であるかを考えるようなアダプティブな改良法
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で想定しているデータは高次元ベクトルとして表されるため、高次元検索の性質を解明し、効率的な検索方法を開発する。既に先行研究で性質を解明した要素が一様分布の場合に加え、様々なデータ分布について精度の高いコストモデルを考案し、分析を進める。 システムの実現・応用について次のことを行う。 ・アルゴリズムを実装し、統計的な性質などについて事前に把握できる合成データを用いて理論的分析の結果と照合する。そして提案したアルゴリズムの改良と実テータを用いた実験を行い、有用性を検証する ・同機関のネットワーク部門から収集したデータや、クラウド(crowd)コンピューティングの研究グループの協力を得て収集したデータを用いて逆情報推薦を支援するライブラリーを開発する。このライブラリーでネットワーク上の利用者の反応に迅速に対応して発信情報を推薦する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で、DEIM2020がオンライン発表に変更された。このため、「学会発表」に示した4件の発表に予定された5人分の旅費・宿泊費は執行されなかった。
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