2020 Fiscal Year Research-status Report
ビッグデータ機械学習のためのスケーラブルな非線形非凸多様体最適化手法
Project/Area Number |
19K12115
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
笠井 裕之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40312079)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 最適化 / Wasserstein距離 / 最適輸送問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,構造化データ,特に,グラフ構造を有するデータおよびシーケンス構造を有するデータについての検討へと研究対象を拡大した.前者については,様々なメトリック空間を検討した.第一に,Wasserstein距離空間を用いたグラフ埋め込みにより,グラフ間距離を提案した.本距離は,グラフ分類問題への応用が期待される.具体的には,グラフ特徴量として,対象ノードとそれ以外のノード間の距離の分布に基づき,他のノードとの類似度を疑似編集距離で計算することで,グラフ間のWasserstein距離の計算アルゴリズムを提案した.数値実験により,最先端の手法と同様もしくはそれを上回る結果を得た.また別の特徴量として,グラフの異なる二つのノード間のパス上に位置するノードおよびエッジの構成をシーケンス情報として特徴量化し,グラフ内の複数のシーケンスをグラフの特徴量としたグラフ間マッチング手法を検討した.さらにシーケンスのマッチングには処理量の増大が問題なため,サンプリング手法による高速化手法も提案した.数値実験により,最先端の手法と同様もしくはそれを上回る結果を得た. シーケンスデータについては,シーケンス全体から部分シーケンスを抜き出し,それに基づき複数シーケンス間の類似度を計算する手法を提案し,有効性を検証した. 一方,最適輸送問題の最適化手法についても検討した.特に,一部緩和の最適輸送問題の定式化について,Frank-Wolfe手法の拡張方法を提案した.特に,アルゴリズムでは,座標降下法による高速化を実現し,理論面では収束解析を提案した.数値実験では,色転送問題に適用し,提案手法の有効性を確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画した内容の一部は進んでいるものの,一部において,理論的な検討にいくつかの問題があり,十分に進んでいるとは言い難い.
|
Strategy for Future Research Activity |
ここ一年で発表された,他分野での検討を参考にしながら,理論面での打開策を探っていく.あわせて,応用面においても,様々な構造情報を用いた手法を検討 し,数値実験等でも有効性を検証していく.
|
Causes of Carryover |
新型コロナの影響により学会がすべてオンラインとなり,海外への学会出張がなかったため.
|
Research Products
(8 results)