2020 Fiscal Year Research-status Report
インセンティブメカニズムに基づく参加型センシングによる住民からの情報収集手法
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19K12130
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Research Institution | Ichinoseki National College of Technology |
Principal Investigator |
早川 知道 一関工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80730887)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インセンティブ / ゲーミフィケーション / OpenStreetMap / オープンデーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,河川環境管理手法の新たな方法論にチャレンジし,住民からの参加型センシングによる情報提供を促進するためのインセンティブ設計,膨大な河川管理情報を用いた潜在的投棄発生箇所の予測手法の開発,監視員の最適な自動監視活動計画の策定手法の開発を行う.それらを基盤とした実証実験を実施し,効果の検証を通して多様な社会実装のための実現手法の確立を目的とする.参加型センシングにより住民から収集したデータの効果的利用を通した業務活動の効率的計画手法と情報提供に関する制度設計に関する学術的貢献だけではなく,実社会において解決が急務とされる問題に取り組むことによる社会的貢献が可能である. 本年度では,OpenStreetMapに代表されるような市民らの情報を集約したデータベースと自治体などから公開されているオープンデータとの精度の検証について行った.公開されるオープンデータの精度はデータによって異なり,中には実際とは異なる場所を示した位置情報や異なる名称が含まれることがある.そのようなオープンデータを活用するにはユーザーが精度を確認し,必要があれば修正を行わなければならない.そこで,本研究では,オープンデータが持つ位置情報の精度を評価するツールの開発を目的とする.精度評価を可能にすることにより,ユーザーが事前に確認することができるだけでなく,データを公開する際に誤りに気付くことができ,データの品質向上にもつながる.位置情報精度評価ツールでは,オープンデータとOpenStreetMap(OSM)のデータを比較することで位置情報精度を検証し実験を行い,その有用性を検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症の影響により,直接、市民活動の場に参加することが困難であったためである.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では,地元住民との協議を重ね,改めて,課題の抽出,参加型センシングによる問題解決手法を提案する. 金銭の授受を伴わないボランタリーな住民らにより有効な情報を得られるために、ボランタリーな住民らのインセンティブについて研究を行う.これにより,住民らの積極的な参加を促し,その結果により地域の活性化を目的とする.
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Causes of Carryover |
今年度は、コロナ感染症の影響により、地元住民との協議がスムーズに行えなかったことの影響が大きい.これらにより,研究計画の変更が必要となり,一部予算を次年度に繰り越すこととした.
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