2021 Fiscal Year Research-status Report
進化計算最適化法を用いた様々なシステムを対象とする手軽な分岐点導出法の提案と応用
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19K12138
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松下 春奈 香川大学, 創造工学部, 准教授 (00604539)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分岐点探索 / 粒子群最適化(PSO) / 離散力学系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、進化計算最適化法による、手軽かつ高精度な分岐解析手法の提案を目的としている。これまでに提案した粒子群最適化(PSO)による分岐探索手法は、様々な分岐曲線が混在する領域の分岐点探索において、正しく分岐点を検出できない問題点があった。また、周期数が高い分岐点の場合、探索に時間がかかることもわかっていた。本年度は、主にこれら2点の問題点の更なる調査、および、その解決法の提案を行った。 まず、正しく分岐点を検出できない状況が、探索対象としている周期の約数周期が探索領域に混在する場合に起因していることを確認した。また、この問題を解決する新たな目的関数を提案し、既存の手法と比較した場合の違いや利点について詳細に調査した。これらの結果は学術論文として発表した。 次に、探索時間の削減に関する研究を行った。まず、入れ子構造型PSO(NLPSO)をGPUへ実装し、大幅な計算時間短縮に成功した。本手法は単純にNLPSOにGPUへ適用するのではなく、より効率的な分岐点探索を可能とする工夫を取り入れた手法である。この成果は学術論文として発表した。 また、既存の手法であるPSOと比較し、差分進化(DE)が分岐点探索に適していることを詳細に調査、考察した。まず入れ子構造型DEでその有効性を確認した。次に、単一のDEにも応用し、より高速な分岐点探索の実施を目指して、それらの問題点や適用方法を調査中である。これらの結果は順次国際会議や学術論文として発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目で行う予定であった、局所分岐点探索、および、連続力学系への応用をクリアし、2年目で行う予定であった合成力学系への適用もすでに終えている。また、その中で新たに手法の問題点を発見し、また、その解決法を提案している。それらの結果は学術論文として発表で来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題として、探索された分岐点の偏りの解消、分岐曲線の追跡、探索時間の短縮、最適化手法の改善などがある。これら一つ一つを並列的に解決していく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、出張が中止となったため、旅費が未使用となった為。
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