2021 Fiscal Year Research-status Report
数理モデルと機械学習を組み合わせたスモールデータ処理基盤技術の構築
Project/Area Number |
19K12139
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山森 一人 宮崎大学, 工学部, 教授 (50293395)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 機械学習 / スモールデータ / 数理モデル / 拡張重み更新型自己組織化マップ / 強化学習 / ヒューリスティック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,多数回の観測が困難であったり再現性に乏しい事象に対して,乏しい観測 データから数理モデルを援用して仮想的な実験観測データを合成し,これを機械学習アプローチに乗せることで精度よく前期の事象を予測・推定する手法を開発することである. 再現性に乏しい事象として,本研究では食品化合物を細胞に投与した際のたんぱく質発現量から,抗酸化活性や細胞増殖抑制活性といった生理活性の高精度推定を取り上げている.研究のアプロ―チとしては,様々な数理モデルに基づく合成データの生成と,これを取り扱う機械学習アプローチの実践的検討の2つをとり,前者についてはロジスティック回帰モデルに基づくデータの生成を終えている.後者については従来から開発・利用している拡張重み更新型自己組織化マップに加え,強化学習アプローチをヒューリスティックと組み合わせて用いる手法について実験を行っている. 2021年度の研究実績は,国際会議発表2件(主著者/コレスポンディングオーサー),国際会議発表 1件(共著者),国内会議発表 1件(共著者)である.本年度は,観測数の少ないスモールデータ環境において,数理モデルに基づいた合成データを学習に用いることで推定精度の向上が図れるか否かを定量的に検証する計画であった.しかしながら,年度前半に体調を崩したため休養を余儀なくされ,研究成果として発表に至ったものは従来の数理モデルを用いない合成データによる学習,および研究で用いている拡張重み更新型自己組織化マップ以外の方法を検討する一環としての強化学習アプローチの継続検討を行ったに留まった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究概要でも簡単に記述したところであるが,2021年度前半は体調不良(重度の貧血)により医師から通常勤務は困難であるとの診断を受け,前期は担当講義を他教員に振り替えてもらい療養に専念した.8月頃には体調もほぼ回復し,改めて積み残していた研究課題に取り組んだものの,前半を療養にあてていたことから計画していた実験を終えるまでには至らなかった.
|
Strategy for Future Research Activity |
従来研究と比較検討するため,開発していた拡張重み更新型自己組織化マップ,およびその周辺プログラムを,今後の研究発展を考えてpythonに移植する.特に従来は測定値の分散や検定はWindows,数理モデルに基づいた合成データの生成と機械学習はFreeBSD/Linux系と異なるオペレーティングシステム上で開発していたことから,これらをPythonで書き直すことで異なるOSでも一環して実験ができる環境を最初の整える. 続いて,開発したプログラムにより生成済の学習用サンプルを用いて生理活性値の推定実験を行い,既存研究で得られている推定結果と比較検討を行う.推定実験には開発済みの拡張重み更新型自己組織化マップに加え,畳み込みニューラルネットワークを始めとした深層学習モデル,および検討を進めてきた強化学習アプローチも同じデータを用いて推定実験を行い,数理モデルに基づいた合成学習データの効果,及び用いる機械学習手法の違いによる推定精度について多角的に評価を行い,これらの研究成果をまとめて学術雑誌に発表する. 本研究で開発したプログラム群は,GitHubを始めとする開発コードシェアリングシステム上で公開し,研究成果を広く還元することを検討する.
|
Research Products
(4 results)