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2023 Fiscal Year Annual Research Report

渡り鳥の群れの大域的な制御機構

Research Project

Project/Area Number 19K12150
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

早川 美徳  東北大学, データ駆動科学・AI教育研究センター, 教授 (20218556)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords群れ / 集団動力学 / 編隊飛行 / string instability
Outline of Annual Research Achievements

V字や鉤型等が特徴的な編隊飛行を呈する大型の渡り鳥の群れは、そのサイズも、形も、動的に大きく変動しているが、実データに基づいて数理モデルとそのパラメータを推定することにより、その様態や安定性を理解しようとするのが本研究のねらいである。
研究期間をさらに延長の上、数年間にわたって宮城県の渡り鳥飛来地においてステレオカメラで撮影し蓄積してきたマガン等の飛行画像のデータの解析を進め、定量的な分析に十分に耐えうる精度の軌跡データセットを構築した。時系列の推定に用いる際の状態空間モデルを鳥の運動学的な特性に基づいて改良すると共に、各個体の同定に用いるニューラルネットワークモデルのトレーニングデータを倍増させ、計測の実質的な誤差を低減することで、計測可能な範囲も拡大することができた。
群れの各個体が前方の個体との相対的な位置と速度を調整する過程を表現する微分方程式モデルを構成し、実測により得られた軌跡データを粒子フィルターによって処理することで、配置と速度空間の相互作用を表現するパラメータを推定した。このモデルは、交通流等の分野で研究されてきた数理モデルと類似しており、string instabilityとして知られてきた不安定性を内在することが分かっていたが、渡り鳥の群れも同様の数理的なクラスとして理解できる。本研究ではそれをさらに進めて、一次元的な群れが安定的に維持可能な臨界的なサイズ(個体数)と有効相互作用との関係を、エビデンスに基づいて定量的に示すことができた。さらに、提案モデルの数値シミュレーションによって、不安定モードの励起と群れの分裂過程等、現実の系に近い振る舞いを再現するこにも成功した。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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