2022 Fiscal Year Annual Research Report
スペクトル分解のためのFPGAを用いた確率的サンプリングマシンの開発
Project/Area Number |
19K12154
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
庄野 逸 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (50263231)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エッジデバイス / スペクトル分解 / MCMC |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は2021年度までの実施計画であったが,研究成果発表を行うため2022年度まで予算執行を延長した.2022年度は,エッジデバイスを踏まえた上での計算量評価を厳密に行ったアルゴリズムに言及した論文成果発表を行った. 2019年度は,神経回路モデルをFPGA上に実装し,どの程度の演算が可能かどうかの検証を行い,安価なFPGA上での実現のための計算手法を確認した.その結果として,深層学習などの多くのパラメータを必要とするモデルであっても,パラメータを数ビットの整数値にまで落とし込むことで,FPGA上での実現を可能にした.2020年度は,マルコフチェーンモンテカルロ(MCMC)法をFPGA上に実装すべく,計算量評価とプログラミングを行い,FPGA上での実現に一定の成果を得ることに成功した.具体的には,イジングスピンモデルを用いた計算モデルをFPGA上で実現し,このモデルの状態計算を行うためにMCMC法を適用した.この結果,固定小数点での精度にはやや不安があるものの,実数値計算を行ったモデルと同等の性質を持つことを示すことができた.2021年度は,この方法をスペクトル分解に応用すべく,スペクトル分解の数理に対して 温度交換型のMCMC法や進化計算を適用した計算アルゴリズムを構築した.スペクトル分解は,ある種の神経回路モデルでかけるが,ノイズなどの影響があった場合,従来の勾配型のアルゴリズムを適用すると局所解にトラップされるため,これらの最適化方法を適用し,一定の成果を得ることに成功した.
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