2020 Fiscal Year Research-status Report
潜在的注意下に眠る感性情報の発掘と観光支援への応用
Project/Area Number |
19K12180
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
佐藤 美恵 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00344903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 直己 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (70345354)
伊藤 篤 宇都宮大学, 工学部, 教授 (80500074) [Withdrawn]
金成 慧 宇都宮大学, 工学部, 助教 (40813770)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 感性情報処理 / 眼球運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、眼球運動情報を解析することにより、潜在的注意が向けられた様々な対象の中から、意識下では気づかなかった観光地の新しい魅力を発見し、さらなる観光資源を創造することを目的としている。潜在的注意とは、視線がある物体に向いているときでも無意識のうちにそこから離れて、興味・関心を引き付ける別の物体に向けられる注意である。 本年度は、潜在的注意の指標として、マイクロサッカードと瞳孔の変化に焦点を当てた。実験では、画像中の興味・関心が向けられた対象とマイクロサッカードと瞳孔の変化との関係について調査することを目的とした。まず、実験刺激を選定するために、75枚の画像(観光地や風景など)から、本実験の被験者となる20代学生が興味・関心を示すであろう画像10枚を選定した。そして、これらの実験刺激について1枚ずつ15秒間提示し、被験者(計4名)に見てもらい、その際の眼球運動を計測した。その後、被験者に興味・関心がある対象を提示画像上に順位付けて印してもらい、被験者が興味・関心を示している対象とその順位を特定した。眼球運動情報の解析では、注視位置、注視時間、マイクロサッカード、瞳孔径と、被験者が興味・関心を示していた対象との関係を検討した。その結果、被験者が最も興味・関心を示している対象の方向にマイクロサッカードが多く起こる特徴を示した画像群が存在することがわかった。ただし、被験者が興味・関心を示していた対象が複数あることから、興味・関心の強さや位置関係も含めた解析が課題として挙げられた。また、被験者数を増やして、さらなる検討を行う必要もある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、被験者を集めることが難しく、実験の進行にやや遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、本年度に行った実験の被験者数を増やして、得られたデータを、再度、詳細に解析する。マイクロサッカードの方向を効率的に解析する方法を検討し、潜在的注意が向けられた対象を特定する方法を提案する。 そして、マイクロサッカードを含めた眼球運動情報により、潜在的意識下の観光対象としての興味・関心を見つける方法を提案し、観光地のデータを用いた実験により、その有用性を検証する。
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Causes of Carryover |
学会発表(国際会議、国内会議)がすべてオンライン会議となり、旅費を使用しなかった。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、被験者を集めての実験の実施が難しく、被験者への謝金を使用しなかった。購入予定の機材の納品が遅れたため、物品費の使用額が減った。 学会発表(国際会議、国内会議)で、旅費と参加費に使用する。新型コロナウイルス感染対策を行って実験を実施し、被験者への謝金として使用する。購入予定の機材を発注するため、物品費を使用する。
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