2021 Fiscal Year Annual Research Report
操縦速度を考慮した筋感覚メカニズムの解明と拡張現実空間における反力提示技術の開発
Project/Area Number |
19K12185
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 良幸 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (40336920)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 筋感覚 / 操縦速度 / 反力負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
VRシステムを用いた上肢運動リハビリテーションを想定して開発したインパクト感提示システムで,ボール・ヒッティング時の反力負荷に対する知覚特性の解析評価を被験者8名で行った.VRヘッドマウント・ディスプレイを装着した操縦者には,ゲームエンジン・ソフト(Unity3D)で作製した仮想空間を見ながら操縦ノブを前後に動かして,自由落下してくる硬軟2種類のボールをラケットで打ち返すように教示した.そして,ブレーキの作動継続時間(Duration [s])と遅れ時間(Delay [s])を調節して,硬軟2種類のボールに対する適切な反力負荷を特定するために二段階の操縦実験を実施した.第一段階の実験では,熟練者による事前試行で定めた基準値を基にして,それぞれ3条件をランダムに設定して実施した.そして,各試行後に「ブレーキの強さ」,「ブレーキのタイミング」,「インパクト感の違和感」を5段階評価させて得点化した.第二段階の実験では,第一段階の実験で評価の高かった3条件を抽出し,同様な手順で実験評価を行った.その結果,ボール・インパクトに適した反力負荷は,インパクト時からの遅れ時間が小さいほど評価が高くなる傾向を確認した.したがって,ブレーキの作動継続時間(Duration)よりもブレーキの遅れ時間(Delay)の方が,自然なインパクト感を与える上で重要であることがわかった.上述に加えて,操縦部にスプリングとワイヤーを取り付けたラケットを持たせて手先動作を3次元化し,同様なボール・ヒッティングタスクにおいて解析評価を行った.そして,ラケットの持ち方によってもインパクト感が大きく変わることを明らかにした.
|