2021 Fiscal Year Research-status Report
Co-creation of taste by taste-communication between users
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19K12196
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
福本 誠 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (60422028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 良子 関西大学, システム理工学部, 准教授 (30511711)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 味コミュニケーション / 対話型進化計算 / 感性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,複数のユーザから共通して好まれる味を作り出す技術の確立を目指す.技術のベースは,進化計算の評価にユーザが参加する対話型進化計算である.遠隔地にいる複数のユーザが探索過程に参加し,共通の最適解としての味を探索することにこの技術の特長がある.複数人の感性をもとに共通して評価の高い解が得られれば,多くのユーザに効果のあるコンテンツの生成や製品開発の補助などが期待できる.本研究の場合は,複数ユーザに好まれる味コンテンツを得られることになる. 本研究に関する2021年度の活動は,(1)遠隔地とのやりとりをしながら味を評価する技術の確立,(2)探索アルゴリズムの改良,と整理できる. (1)については,代表者と分担者の研究室間での遠隔のやりとりにより実施した.ペアの参加者の間で味情報の交換ができること,交換した味情報を利用して探索を行えることを確認した.また,世代の更新に伴う評価値の上昇傾向が観察された.場合によっては,ペアの相手からもらった味情報が高く評価され,探索に活用されるケースも見られた. (2)については,これまでの味コンテンツ生成において用いていた探索アルゴリズムが遺伝的アルゴリズムという基礎的な進化アルゴリズムであったところを,近傍解を連続的に探索するタブー探索アルゴリズムに代えて実験を実施した.被験者実験を通じ,評価値が上昇することを確認した.有効性の検証のために,12名が参加する実験を実施した.その結果,評価値の上昇傾向が観察された.特に最大値の推移に関しては,初期世代と最終世代の間で統計的に有意な差が見られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の到達目標は,遠隔地にいる複数ユーザの間で味情報を交換し,それを探索に役立てるということにある.これを実現しうるシステムを構築し,代表者と分担者の間(福岡と大阪)で検証実験を行った.その結果,味情報のやり取り,特に各ユーザにおいて評価の高い味情報をやりとりできることを確認した.さらに,それらにもとづいた進化計算による探索を実施できることを確認した.これらのことから,現時点での本研究課題の進捗は,概ね順調な進展状況と言える. 一方で,この研究を進める中で,複数ユーザの感性や好みが似ている場合,似ていない場合のそれぞれに条件において,起きうる探索状況や最終的に得られる解の検証など,新たな課題が表出してきた.さらなるシステムの改善と有効性の調査が必要である.
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Strategy for Future Research Activity |
到達目標に該当するシステムの構築はできている.その一方で,参加するユーザの感性や好みが異なるケースなど,実際の利用で起きうる状況について検証を要する段階である. 参加する複数ユーザの特性などを考慮し,交換された味情報がどのように利用されているかなど,より詳細な検証を実施する予定である.
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Causes of Carryover |
いただいている研究費に関するテーマに関し,その目的をより深く達成するために追加実験を引き続き実施する必要がある.さらなる実験の実施やその成果を発表するための学会参加,論文投稿などをさせていただく予定である.
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Research Products
(5 results)