2022 Fiscal Year Annual Research Report
AIによる心電図波形自動解析手法の高精度化に関する研究
Project/Area Number |
19K12201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 健 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (90401075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤生 克仁 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (30422306)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 深層学習 / 心電図 / 医療AI / 診断支援 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、既存の心電図計による所見自動付与の精度向上のため、深層学習を用いた心電図波形自動解析手法を開発することを目的としている。 これまで、標準12誘導心電図波形に対するCNNを用いた解析手法である One-Shot Screening法を開発してきた。これは、心拍毎にカットし重ね合わせた波形画像を12誘導それぞれに対してCNNで学習し、第2段階目でこれらの出力を統合して判定する、というフレームワークを基本としており、波形データを2次元画像として捉えるところが大きな特徴である。 本年度はこれを改良し、心臓超音波検査データによる診断結果を正解データとして学習することでより精度の高い個別所見の診断モデルの開発・評価を行った。左室肥大(LVH)を対象とし、東大病院で経胸壁心エコー検査(TTE)を受け、その後30日以内に心電図検査(ECG)を受けた患者19,641人に対する41,243個のECG-TTEペアを用いた。提案手法で用いる波形画像は、R波ピークの揃え方で「右・中央・左揃え」の3種類、これが12誘導で計36種類存在する。これを全て同一モデルに入力するのはGPUメモリの制限から困難であるため、単体で弁別能に優れる画像を上位から12種類選別するという工夫を施し、それぞれを独立にCNNに入力した結果を、上位層でメタ情報(性別、年齢、身長、体重等)と統合して出力する深層学習モデル構造とした(改良One-Shot Screening法)。結果、LVH検出能として波形情報のみでAUROC 0.916、またメタ情報を統合することでAUROC 0.921を得、従来の診断基準(Sokolow Lyon、Cornell)や深層学習を用いた他の先行研究手法を上回る精度を達成した。本手法はECGによるスクリーニングを改善する強力なツールとなると考えられ、本成果は現在海外学術誌に投稿中である。
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