2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K12238
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
立野 繁之 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 准教授 (70243897)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 電波強度 / 位置推定 / RSSI / ZigBee / リモートモニタリング / 遠隔監視 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、病院での入院患者や介護施設の入所者の安全性の確保すること、および看護師・介護スタッフの作業の効率化を目標として、IoT用の近距離無線通信規格であるZigBeeを用いて、患者や要介護者の現在位置や活動情報を離れた箇所にある監視室でリアルタイムにモニタリングするシステムの開発を行った。 本年度は、監視を行う見守り対象者が持ち運ぶポータブルデバイス(以後、ベーシックモデル)の小型化および省電力化を検討した。さらに、見守り対象者が建物の屋外に出てしまう場合を考慮し、ベーシックモデルにGPSを搭載するモデルを試作した。また、見守り対象者が予定にない突発的な動きや行動(転倒など)をいち早く見つけるために、ベーシックモデルにIMU(加速度センサ・ジャイロセンサ)を搭載するモデルの試作も検討した。 試作したベーシックモデルは、昨年度までのモデルと比較し、サイズを40%程度に小型化することができ、バッテリ使用時間を80%程度延長し連続20時間以上稼働させることが可能となった。これにより、持ち運び時の負荷をある程度削減させることが可能となった。 GPS搭載モデルはおよびIMU搭載モデルに関しては、常にセンサ部分を通電させる必要があり消費電力が増加するためバッテリ駆動時間は8~10時間と短くなる。この場合でも、活動時間を制限すれば連続使用が可能となり、従来型のモデルよりは小型可できているため、持ち運びの負荷の減少は実現できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で開発しているリモートモニタリングシステムでは、ターゲットが持ち運ぶポータブルデバイス上は、間欠的にスリープ状態から起動し電波強度の計測を行っている。このスリープからの起動は、ポータブルデバイス上のタイマーを用いてアクティブに行われていた。そのため、ネットワーク全体で同期をとるためには、ネットワークの全てのデバイスに遅延を考慮しながら同期信号を送るなどの複雑な管理が必要となり、本年度はその方法論の検討を行った。
上記の問題の解決のため、デバイスがワードウェアレベルでサポートしている同期スリープモードの使用を試みたが、このモードを使うためには、今まで作成した全てのプログラムを修正する必要がある。今年度はこのプログラムの再開発に時間を要しており未完成の状態であるたため、デバイスの小型化のみが研究の成果となった。
また、位置推定アルゴリズムの開発に関しては、従来のカーネル密度を基にした推定法に加え、電波強度の推定式のパラメータを動的に変化させ、最適と思われるパラメータを測定値から推定する方法を検討した。ただし現状では、推定法を複数検討している状況であり、まだ選定には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で述べたように、デバイスがワードウェアレベルでサポートしている同期スリープモードを使用するため、今まで作成した全てのプログラムを修正中である。現在の所、ポータブルデバイス以外に関しては、80%程度修正が完了している。ポータブルデバイスに関しては、通信の同期を取ることでかえって通信の衝突が発生し、これがネットワークの負荷になってしまっている。そのため、この衝突を抑えるための新たな方法を検討し、この機能を実装したプログラムの開発を行う必要がある。
本年度では、上記の機能を持ったプログラムの開発を完了し、それを実装したポータブルデバイスの開発を行う。また位置推定アルゴリズムとして、新たに検討している電波強度の推定式のパラメータ動的推定に用いる推定法を検討する。実装時の実用性を考え、推定位置に関しては、ある程度の範囲を持たせて、安定した推定結果を得られる用に検討する。
その後、開発したデバイスを20個程度用いて、実際の病院等で測位アルゴリズムの検証やスケーラビリティの実証実験を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していたデバイス製作用の無線モジュールがモデルチェンジしたため、本研究に使用出来るかどうかを検証する必要が生じた。
また、モジュールを格納するケース等の再設計にも時間を要してしまったため、最終的に無線モジュールの購入を次年度に遅らせることとした。
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Research Products
(3 results)