2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K12238
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
立野 繁之 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 准教授 (70243897)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 電波強度 / 位置推定 / RSSI / ZigBee / リモートモニタリング / 遠隔監視 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、以下の2つの項目、①「病院での入院患者や介護施設の入所者の安全性の確保」、②「看護師・介護スタッフの作業の効率化による負担軽減」を目標として、ZigBee無線規格(IoT用の近距離無線通信)を用いて、患者や要介護者の現在位置や活動情報を離れた箇所にあるステーション(監視室)でリアルタイムにモニタリングするシステムの開発を行っている。 本年度は、昨年度設計した無線機器(ポータブルデバイス)を用いて、実際の病院内でモニタリング実験により位置推定の検証を行う予定であったが、新型コロナウィルスの影響により、病院での実験等による医療従事者への負担や感染の危険性を考慮し実験を行うことが出来なかった。 そこで、過去に行った幾つかの箇所での実測データと新たに作成した広範囲のシミュレーションデータを用いて、電波強度を用いた位置推定手法の推定精度を向上させるためのアルゴリズムの改良を検討した。具体的には、幾つかのアクセスポイント(電波強度を計測する箇所)の中から最も信頼できるアクセスポイントを基準点として選び、その基準点での計測値を元に他のアクセスポイントの信頼性を求めて、その信頼度を用いた新しい位置推定手法を提案した。 新しい信頼度を基にした手法と既存の手法を検討した結果、新手法はシミュレーションデータに対して10%~40%、実データに対して~20%の推定精度の向上が確認できた。 来年度は、リアルタイムな位置推定および行動推定を行うためのシステムを構築し、実環境での実験を行うことで、その有効性を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、昨年度設計した無線機器(ポータブルデバイス)を用いて、医学系の研究協力者に依頼し、実際の病院内でモニタリング実験による位置推定の検証を行う予定であった。
しかし、新型コロナウィルスの影響のため、病院内で感染の危険性をがあることと実験実施のために医療従事者への負担が増えてしまうことを考慮し、実環境での実験を行うことを断念した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスが沈静化すれば、実際の病院でリモートモニタリングシステムの実証実験を行う予定であるが、沈静化しなかった場合には、大学内の建物を仮想的な病院に見立ててデータ収集を行う事でシステムの評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた実際の病院での実証実験を実施できなかったため、システム構築に必要なPC、周辺機器等の購入とデバイスの試作を行わなかった事が理由である。
次年度では、システム構築およびモニタリング対象者が持ち運ぶデバイスの試作を行う。
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