2021 Fiscal Year Annual Research Report
情報推薦におけるユーザのパーソナリティと推薦の受け入れやすさに関する実証的研究
Project/Area Number |
19K12242
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
土方 嘉徳 関西学院大学, 商学部, 教授 (10362641)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 推薦システム / ユーザインタフェース / プレゼンター / 受け入れやすさ / パーソナリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,推薦システムにおける推薦結果の提示において他ユーザ(以降,プレゼンター)の選好情報を追加表示することが,ユーザのアイテムの選好(購入)のされやすさ(推薦の受け入れやすさ)が異なるかどうかを被験者実験により明らかにした.本年度はプレゼンターの種類が推薦の受け入れやすさに違いをもたらすかどうかと,ユーザのパーソナリティにより推薦の受け入れやすさが異なるかどうかを分析した. 134人の被験者のうち,プレゼンターが表示されるインタフェースで実験を行った71名分のデータを分析した.プレゼンターの種類には,友人,映画コメンテーター,映画ロボット,推薦者なしの4種類を設定し,これと推薦結果を「受け入る/受け入れない」の2種類の結果との関係をカイ二乗分析と残差分析で分析した.その結果,友人のみ調整済み残差の絶対値が1.96を超えたため,友人のみ推薦結果の受け入れに効果があることが分かった. また,被験者のパーソナリティをビッグファイブの指標(TIPI)で取得した.友人が推薦し,被験者の好みに合い見たことがない映画 (アイテム) の受け入れやすさにおいて,その値が高い群と低い群で開放性に統計的な有意差があった.また,推薦されたすべての映画 (アイテム) の受け入れやすさにおいて,神経症傾向が高いほどその値が高い傾向にあることも,相関分析により確かめられた. さらに行列因子分解法とトピック抽出法を融合した推薦アルゴリズムにおいて,アイテムやプレゼンターについての紹介文が,推薦の正確さと利便性に影響するかどうかも実験した.評価値行列が疎な場合において,高い文書頻度を持つ語の採用が,高い正確さと利便性を達成することが分かった. 以上より,推薦結果の提示において,友人の評価を提示することが推薦を受け入れやすくし,推薦の受け入れやすさはユーザのパーソナリティの影響を受けることが明らかになった.
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