2019 Fiscal Year Research-status Report
アイテムの評価項目別スコアに基づくユーザ価値観類似度分析によるレビュー推薦方式
Project/Area Number |
19K12243
|
Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
上田 真由美 流通科学大学, 経済学部, 教授 (30402407)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 伸介 京都産業大学, 情報理工学部, 教授 (90399535)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | レビュー推薦 / レビュー分析 / 評価値自動付与 / 評価表現辞書 / 類似ユーザ判定 / 価値観類似度 / 可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,商品アイテムの評価項目別の自動スコアリングに基づくユーザ価値観類似度分析によりレビュー推薦システムの開発を研究目的としている。本研究の成果を様々なレビュー情報サイトに展開することで,個々の消費者に対して効果的なレビュー情報の提供が可能になると考えている.このようなレビュー推薦システムを実現するため,本研究課題では,3つのサブ課題を設定し,自由記述によるレビュー情報から,複数の評価項目に対する評価値を推定することにより,個々の利用者にとって価値観の共有可能なユーザを発見し,効果的なレビュー情報や価値観にあったアイテム情報を提供する手法の実現に向けて取り組んでいる.1つ目のサブ課題である複数評価項目に対する自動スコアリング方式の開発では,先に手動で構築した特定の1アイテムに対する評価表現辞書をベースとして,評価表現辞書の自動構築手法の開発に取り組んだ.2つ目のサブ課題である評価項目別スコアに基づくユーザ価値観類似度分析手法の開発では,投稿者によりアイテムの総合評価ではなく,複数の評価項目に対する評価傾向が類似している投稿者が価値観の共有可能なユーザであると考え,特定の1アイテムを対象として,評価項目別スコアを用いたユーザの価値観類似度を算出する手法の開発に取り組んだ.3つ目のサブ課題である多様なユーザに対してカスタマイズ可能なレビュー情報提示手法の開発では,利用者の目的や状況によって必要となるレビュー情報の粒度および提示方法を検討した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数評価軸に対する自動スコアリング方式の開発については,特定の1アイテムとして「化粧水」に対する評価表現辞書の自動構築がおおむね実現し,国内学会で2件発表し,国際ジャーナルに1件投稿した(採択済み).評価項目別スコアに基づくユーザ価値観類似度分析手法の開発では,上述のアイテムを対象として,ユーザ価値観類似度を用いたアイテム推薦を実現しており,国内学会で1件発表した.さらに,多様なユーザに対してカスタマイズ可能なレビュー情報提示手法の開発では,アイテムの特徴を瞬時に把握可能とするために,自身の持つアイテムとの相違点を可視化することが有用であると明らかにし,国内学会で1件発表した。当初は国際会議への投稿も計画していたが,開催地(香港)の国内情勢から,開催時期が変更となったため,国際会議での発表が行えなかった.
|
Strategy for Future Research Activity |
複数評価軸に対する自動スコアリング方式の開発では,R1年度に構築した「化粧水」の評価表現辞書の妥当性を検証し,順次改良を行うとともに,他のアイテムに対する評価表現辞書の自動構築を目指す.ユーザ価値観類似度を用いたアイテム推薦でも,「化粧水」以外のアイテムにも対象を広げ,プロトタイプシステムの構築を目指す.多様なユーザに対してカスタマイズ可能なレビュー情報提示手法の開発では,対象アイテムの特徴と所持アイテムの特徴の相違点を可視化するUIの開発を目指す.
|
Causes of Carryover |
投稿を予定していた国際会議が開催地(香港)の政情が不安定なため、開催時期が2020年度に延期したため、2020年度開催の別の国際会議に投稿するよう計画を変更した。また、投稿していた国内の学会がコロナウィルス感染拡大を防ぐため、オンライン開催となったため、旅費の使用が予定より大幅に減った。このことから次年度使用額が生じた。 すでに2020年度開催の国際会議への投稿のため準備を進めており、2020年度は積極的に成果発表を行っていきたい。
|