2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a Homogeneous Data Management and Visualization System for Astronomical Multi-Wavelength Open Images Enabled by a Reverse Projection Method onto the Celestial Sphere
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19K12244
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
江口 智士 福岡大学, 理学部, 助教 (40647202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白崎 裕治 国立天文台, 天文データセンター, 助教 (70322667)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バーチャル天文台 / HEALPix / healsparse / reproject |
Outline of Annual Research Achievements |
バーチャル天文台(VO)は、世界中に散らばる望遠鏡や宇宙望遠鏡で得られた観測データを統一的に取り扱う仕組みである。VOは「サービス」を単位としており、標準的な使い方は、VOの利用者はサービスを指定して検索クエリを投げる。しかしながら、利用者が事前に適切なサービスを見つけ出すことはハードルが高く、また、全サービスに対して検索クエリを投げた場合、その結果が得られるまでに時間がかかる。そこで我々は、「VOクローラー」を用いでVO上の複数のサービスから実際にデータをダウンロードし、それらを天球上に再投影したメタデータを構築することで、利用者が「サービス」を意識せずにVOを検索できる仕組みの開発を行っている。 2021年度は研究代表者の学務が著しく増大したため、開発(コーディング)はほぼ停止状態に追い込まれた。一方で、技術的核である「HEALPixを用いたHiveテーブルのパーティショニング」について、既存のライブラリを活用してコーディング量を減らす方法を検討した。HEALPixは全天を等立体角に分割するため、天球が持つ等方性を自然に取り扱える。しかし、HEALPixのIDは「Z-order」のため、一つの観測画像の各ピクセルが値が大きく異なるIDにマッピングされる。この特性をうまく回避する「healsparse」というPythonライブラリが既に存在することがわかった。また、天文画像に対して様々な座標変換を行う「reproject」というPythonライブラリは、HEALPix IDへの変換をサポートする。reprojectのソースコードを読解し、「天球全体(HEALPixピクセル)を画像データの座標系に一気に変換する」という非効率な処理を行っていることがわかった。「healsparseとreprojectのいいとこ取り」により、我々の目的を達成できそうである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は研究代表者の担当科目がすべて「全面対面形式」になり、離れた複数の教室・実験室間を行き来しながら同時に指導することを余儀なくされたため、その準備作業も含めると、勤務時間のほぼすべてを学務に充てざるをえなかった(むしろ超過した)。そのため2021年度は、本研究は中断状態だった。しかし、ほんの僅かな時間しか充てられなかったけれども、座標変換ライブラリの調査、特にhealsparseやreprojectのソースコードを解読できたことは、小さな前進である。
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Strategy for Future Research Activity |
「天体画像の座標変換アルゴリズムの完成」を最優先課題とする。reprojectのHEALPix処理部から「全天を一気に座標変換する」部分を取り除き、必要なHEALPix IDのみを変換対象とする修正を行う。当初の計画では、テスト・データに「ALMA望遠鏡のイメージ・キューブ(3ないし4次元データ)」を用いる予定だったが、簡単のために「Hubble宇宙望遠鏡」のモザイク・イメージ(複数の天体画像をつなぎ合わせて1枚の広視野画像にしたもの)に照準をあわせる。最後にVOクローラーを走らせてからかなり時間が経ったので、データベースを最新化する。
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Causes of Carryover |
研究代表者の学務急増により研究が実質中断したため。また、学会や国際会議がすべてオンライン開催されたため。 2022年度は国際会議が現地開催されるので、その参加費用・旅費に使用する。また、開発用ワークステーション1台を新規購入する。
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