2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K12250
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 邦雄 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 助教 (90363407)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 演奏支援 / ピアノ演奏 / ユーザインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
ピアノ学習支援システムを使ったピアノ初心者が,そのシステム無しでもピアノを弾けるように,演奏技術を身に着けられる演奏支援システムを構築することを目的としている.そのため,従来のピアノ演奏支援システムの支援機能を細分化し,それぞれの支援機能がピアノ初心者にどのような効果をもたらすかを実験により確認する.本年度は前年度に引き続き,3 種類の演奏支援システムを用いて実験した.童謡 10 曲を 15 回(各 1 時間)の練習を行い被検者 3 名分のデータ(うち1 名は継続中)を取得した. 使用した支援システムは基本となる「支援なし(楽譜を表示するだけ)」の他に,楽譜と鍵盤の関係が直感的に分かるように押した鍵盤がどの音階かを楽譜に表示する「音階表示」,それと,必ず片方の楽譜を暗譜しないといけないように楽譜を片手分だけ表示する「片手表示」の 3 種類を使用した.2019年度と 2020 年度で得た 12 名分の被験者データから「音階表示」は「支援なし」に比べ,どの鍵盤を押しているかを楽譜上で確認できるため,初心者にとって分かりやすいとの意見が多い反面,最終的に通常の楽譜で演奏してもらう際に支援がないことで戸惑ったり鍵盤を押し間違ったりすることが多かった.また「片手表示」は片手分を暗譜する負担があり時間がかかってしまうが覚えてしまうと上達につながる.ここまでは事前に想定しいた結果であるが,一方で「片手表示」後,最終的に通常の楽譜で演奏してもらう際に「両手分の楽譜が全部見えて情報量が多すぎて弾きにくい」という意見があった.この結果からどのタイミングで通常の楽譜の表示に近づけるかについても重要な要素となる. 2020 年度は新型コロナウイルスの影響で実験が行えなかったことから,今後は感染防止対策を行いつつ実験を増やしていくとともに,遠隔でも可能な実験についても検討する必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2 年間で得た 12 名分の被験者データを分析したが,データ数としてはまだ十分ではない. 被検者としての希望者はいるものの今年度は新型コロナウイルスにより実験自体を行えない期間が続き,実験データの収集が大幅に遅れている.遠隔による実験も検討したが,ハードウェア上の制約もあり,実現が難しい.
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Strategy for Future Research Activity |
2021 年度は感染防止対策を行った上で実験を行えると想定しており,すでに被検者として希望者もいることから実験数を増やしたい.またこれまでの結果から,通常の楽譜となるべく見た目が同じであるが支援となるシステム (例えば,現在は押した鍵盤に対応する音階部分全体に表示されているが,表示を極力減らすために押した鍵盤に対応する音符だけに印をつけるなど) を構築し,その演奏支援システムでの実験データをこれまでの実験データと比較していく. また,遠隔で行える実験やより短時間で行える実験について,専門家の意見を聞くことで引き続き検討していく.
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Causes of Carryover |
前年度に不足している実験を行うと共に必要な実験機材の購入を検討している.状況によっては補助事業期間の延長も検討する予定である.
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