2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K12250
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 邦雄 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 助教 (90363407)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 演奏支援 / ピアノ演奏 / ユーザインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
ピアノ学習支援システムを使ったピアノ初心者が,システム無しでもピアノを弾けるように,演奏技術を身に着けられる演奏支援システムを構築することを目的としている.そのため従来のピアノ演奏支援システムの支援機能を細分化し,それぞれの支援機能がピアノ初心者にどのような効果をもたらすかを実験により確認する. 本年度は前年度に引き続き童謡 10 曲を 15 回(各 1 時間)に分けて練習するデータを取得した.2021 年度の被験者は 10 名と 2020 年度の 3 名に比べ増加したが,まだコロナ禍の影響で実験できない期間が生じるなどの問題がある.そのため演奏データだけでなく,被験者のアンケートを多く取るようにし,2019 年度からの合計 23 名分のデータと共に分析している.想定では各年度ごとに 20 名以上のデータを予定していた. データが十分でないため統計的な結果は出ていないが被験者の意見から,押した鍵盤の位置を楽譜上に表示する機能は最初は役に立つがある程度慣れると見なくなるということが分かった.この機能は初めて弾くときの最初はよく使うがある程度確認が済めば不要になるという意見が多く,また,最初の数曲までは必要だがその後はあまり必要なかったという意見もあった.一方,鍵盤の押し間違いを楽譜上に表示する機能は,頻繁に押し間違いをする初心者には慣れるまで邪魔に感じることが多い.また慣れてきた被験者では苦手な所など部分的に練習する際や,大きく間違えてもそのまま最後まで弾き続けたいことが多々あるが,現在弾いている場所と楽譜の対応が現在は柔軟に行いないため被験者の希望通り使えない時もあった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ過により被験者のデータを十分に取れないことが大きい. また,初心者の状況変化は想定以上に大きなことが分かった.初心者は練習中に楽譜の音符と鍵盤との対応が瞬時に把握できないため,楽譜上に「今はどの鍵盤を押しているか」などのリアルタイムで支援することが重要であるが,ある程度練習を重ねるとその支援による表示を見なかったり,邪魔に感じることがアンケートから分かった.ある程度練習を重ねた初心者には,リアルタイムで演奏を支援するよりも,演奏後にどのような演奏であったかを振り返ることができる支援の方が有効ではないかと思う.振り返ることができる支援については,ピアノ教育の専門家も同意見であった.
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Strategy for Future Research Activity |
2021 年度に引き続き被験者によるデータ収集を続ける. また,そのピアノ学習支援システムに加え,ある程度練習を重ねた初心者に向けた「振り返れるピアノ学習支援システム」を構築する.鍵盤にほとんど触れたことがない初心者から,少しピアノ演奏に慣れてきた初心者までを対象とした段階的に支援できるシステムの完成を目指す.
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Causes of Carryover |
コロナ禍で予定よりも大幅に実験が減少したためであり,今年度も引き続き実験を行う. 対面が増えてきたので,より多くの被験者に協力していただき,また学会への参加(旅費)費に使用する予定である.
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