2019 Fiscal Year Research-status Report
複数のスマートデバイスを活用した個人適応型学習環境の研究開発
Project/Area Number |
19K12255
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
勝間田 仁 日本工業大学, 先進工学部, 准教授 (90298282)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スマートデバイス / 個人適応型学習 / 知的学習支援システム / 知的ユーザインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は複数のスマートデバイスを活用した個人適応型学習環境を実現するための技術の確立とその技術を基にした個人適応型学習環境のシステム化を目指している.スマートデバイスの活用場面は,スマートフォンやタブレットの利用に加え,リストバンド型や眼鏡型のスマートデバイスを利用した様々な利用形態が期待できる.本研究では,このようなスマートデバイスを組み合わせることで,オンライン学習中の学習者の学習状態をリアルタイムに推定し,学習状況に応じた学習コンテンツや学習支援を提供可能とする技術の開発を行う. 2019年度は,個人適応型学習環境のユーザインタフェースとして,オンライン学習中における学習者の顔の検知,顔の向き,瞬きの度合を計測するための機能を検証するためシステム設計と開発を行った.これまでにも,Webカメラ搭載のノートPCやデスクトップPCにWebカメラを設置するなどの方法で,学習者の顔画像を検知して学習状況を判定するアプローチの研究が多く行われてきている.本研究では,スマートフォンやタブレットなどの日常的に学習者が利用するデバイスを利用することを想定している.そのため,従来のような固定型のデバイスではなく,学習者が自由に傾けたり,学習者自身の姿勢も変動する環境において,デバイスで学習者をとらえることができない状況や学習者がもつ癖などの動作をどのように捉えるかがシステム的に課題となる.本研究では,簡易的な学習管理システムと学習環境ユーザーインタフェースを構築し,オンライン学習時におけるデータ計測を行う実験を行った.これらの計測実験から,学習環境ユーザーインタフェースとしての条件や検討すべき項目について精査した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,複数のスマートデバイスを使用した学習環境ユーザーインタフェースを構築することに重点をおいて研究を進めた.学習環境ユーザインタフェースは,学習端末となるタブレットと学習者が身に付けるウェアラブル型のスマートデバイス(リストバンド型,眼鏡型)から得られるセンサーデータを分析し,学習者の状態を推定する役割を持つ.本年度は学習履歴データとセンサーデータを統合して管理する機能の実装段階にて時間を要し,学習環境ユーザインタフェースを使用した実験環境の整備に遅れが生じた.しかし,当初の目標である学習環境ユーザインタフェースの有効性を検証する実験を行い,個人適応型学習環境に反映できる機能的を要件を洗い出すことができた.学習環境ユーザインタフェースの有効性を検証する実験結果と機能的要件をまとめた論文がIEEE International Conference Intelligent System 20(2020年8月開催予定)に受理されていることから,概ね順調に進んでいると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
近年ではスポーツ選手や作業者へウェアラブルデバイスを装着させ,計測されるマルチモーダルな生体データを活用した研究が多く行われるようになってきている.近年の国内外の研究事例の調査を並行して進めていき,今後の研究計画で予定してる学習状況の推定技術に反映させいく予定でいる.
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Causes of Carryover |
現在までの進捗状況で述べた学習環境ユーザインタフェースのセンサーデータ集約機能の実装に時間を要し,その有効性を検証するための実験環境の整備に遅れが生じたため,実験結果をまとめた研究成果発表を2019年度内に行うことができなかった.このことにより,2019年度に計上していた研究成果発表費用が本年度の支出にならなかった.この未使用額については,2020年8月に予定されているブルガリアで開催されるIEEE International Conference Intelligent Systems 20における研究成果発表費用等で使用予定である.なお,この国際会議は,6月に開催される予定であったが,コロナウィルスの影響により現時点で8月に延期されている.
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