2020 Fiscal Year Research-status Report
複数のスマートデバイスを活用した個人適応型学習環境の研究開発
Project/Area Number |
19K12255
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
勝間田 仁 日本工業大学, 先進工学部, 教授 (90298282)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スマートデバイス / 個人適応型学習 / 知的学習支援システム / 知的ユーザインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,複数のスマートデバイスを活用して個人に適した学習環境の実現を目指している.本年度は,次の3つの研究課題に取り組んだ.1)学習状況判断モデルの構築,2)学習状況に応じた学習支援サービスの設計と開発,3)学習状況判断モデルを組込む学習環境の設計と開発. 1)学習状況判断モデルの構築では,リストバンド型デバイスと眼鏡型デバイスを利用して,3つの難易度の学習教材を対象に試作システムを用いた学習実験を行った.学習時における学習者の心拍数データと視線データをクラスター分析することにより,学習状況の特徴について考察を行い,学習者の状況を集中と散漫の2つの学習状況に分類した.2)学習状況に応じた学習支援サービスの設計と開発では,学習状況に応じて学習者に提示する学習支援サービスの基本機能として,学習者へメッセージを提示する機能を実装した.3)学習状況判断モデルを組込む学習環境の設計と開発では,学習状況として,集中と散漫の2つの状態を設定し,学習中の学習者にメッセージを提示する機能を中心に学習環境の試作システムの設計と開発を行った.試作システムの初期段階では,予め定めた学習者の動作(視線の動き,頭の動き)と心拍数の数値に対して,集中と散漫を判断するように試作システムを構築した.学習中の学習者へ提示するメッセージの動作タイミングに対する基本実験を行い,学習時への妨げやメッセージの提示に対する印象などをインタビューにより検証した.明らかに集中力がかけている動作をしたときには,注意を向ける効果が期待できることが分かった.この結果をもとに,次期の試作システムとして,学習中に発生する時系列データを用いた学習者の学習状況判断モデルの設計と開発を進めていく計画である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題に対する取組みは,概ね順調に進展しているが,新型コロナ感染症への感染拡大防止のため,開発したシステムを使っての実験の参加者数と実験回数が少なくなり,実験結果から得らえるデータの分析が十分とは言えない状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では,開発したシステムを用いての評価実験を繰り返し,本研究課題の核となる学習状況判断モデルを構築する計画であった.また,実験に参加する被験者数も30名以上を想定していたが,被験者から得られるデータが少ない状況での学習状況判断モデルの構築方法についても検討する.
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の拡大防止の影響により,予定していた国際会議予定地への渡航ができなくなり,オンライン発表での参加となったため,研究成果発表費用が予定通りの支出にならなかった.また,大学施設への学生の入校制限もあり,試作システムを使った評価実験が予定通り進まなかった.令和3年度も研究成果発表費用が予定通り支出できない可能性があるが,試作システムの評価実験に関しては,評価方法を変更も考慮して進めていく予定でいる.
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