2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on evaluation and improvement of online lecture video based on the students' situation
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19K12261
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
尾関 孝史 福山大学, 工学部, 教授 (40299300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 栄治 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (20220866)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オンライン授業 / 授業映像 / つまずき点 / 受講状況 / 動作解析 / 映像の巻き戻し / 映像の停止 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、「受講者の受講状況に基づいたオンライン授業映像の評価・改善システム」を提案することである。具体的には、「授業映像の閲覧状況」、「受講姿勢」、「ノートの筆記状況」などの受講者の受講状況データを利用して、受講者のつまずき点を明らかにするシステムを提案する。このうち、2019年度の課題は、以下の2つであった。 (ア)閲覧状況のデータ化と戸惑い箇所の検出(受講者が授業映像中のどこの映像部分を見ているかのログを時系列に記録し、巻き戻しや停留箇所を明確にする。巻き戻しや停留箇所は、受講者の戸惑い箇所と検出する。) (イ)受講姿勢の変動のデータ化と集中度の計測(受講者のモニター上部にWebカメラを取り付け、受講者の状態を「モニターを正視している状態」と「筆記を含むその他の状態」の2つの状態に自動的に分類する。この際、撮影されたWebカメラ映像中の顔の向きに注目する。多くの研究で、顔の向きと集中度の関係が指摘されており、長時間に渡って映像を見ていない区間は、集中度が低い状態と判断する。) これに対して、2019年度は以下の研究成果を得た。 (1)10分程度のオンライン授業映像を作成し、Webから視聴できるようにした。視聴の際、受講者が映像の停止や巻き戻しを何時したかがわかるようにマウスの操作時刻を記録し、その動作解析を行えるようにした。 (2)予備実験を行った結果、今回提案した手法では 映像の長さによって、長い映像より短い映像の方が巻き戻しや一時停止などのつまずき点が比較的多くみられることがわかった。 このことから学習教材の設問を短い映像に分けた方が、コンテンツとして受講者が取り組みやすく、より多くのログを取ることができ、どこでつまずいたかが分かるという新しい知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回、マウスの操作で授業映像の停止や巻き戻しの記録を解析するシステムを作成した。しかし、マウスを用いた今回の方法は受講者にとって操作が難しいため、受講状況の解析の際に高い精度を得ることが難しいことが分かった。また、10分を超える長い授業映像の場合は、受講差の集中力が下がるため、巻き戻しや停止の操作があまり行われないという現象が発生することが分かった。これらのことから、授業映像の作成に工夫がいることや操作システムの改善が必要であるという新たな課題が生まれたため進捗状況が遅れた。その結果、2019年度の課題のうち(イ)の受講姿勢の変動のデータ化と集中度の計測が行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
受講者が集中しやすい授業映像の作成や授業映像の操作のしやすいシステムへの改善を行う。また、2019年度の残されたサブテーマ (イ)受講姿勢の変動のデータ化と集中度の計測(受講者のモニター上部にWebカメラを取り付け、受講者の状態を「モニターを正視している状態」と「筆記を含むその他の状態」の2つの状態に自動的に分類する。この際、撮影されたWebカメラ映像中の顔の向きに注目する。多くの研究で、顔の向きと集中度の関係が指摘されており、長時間に渡って映像を見ていない区間は、集中度が低い状態と判断する。) 及び2020年度のサブテーマ (ウ)筆記状況の変化のデータ化と重要箇所の確認(まず、各受講者が授業映像を視聴中にノーティングを取るタイミングをタブレットで記録する。次に、ノーティングが行われている状態とそうでない状態に分割する。適度に筆記している映像箇所は、受講者が重要と感じている箇所と確認する。)を実施する。
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Causes of Carryover |
(理由) 令和元年度末に行う予定の実験が、予備実験での受講状況の高い精度の解析が難しいことが判明したため、実際には行えなかった。その結果、令和元年度に購入予定の受講者用タブレットや受講者用パソコンを次年度に購入することにしたため。 (使用計画) 授業映像の改善及び操作方法の改善を行う。その後に受講者に対する本実験を行う予定である。また、令和2年度には、取集したデータの解析用ワークステーションを購入する予定である。
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