2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K12267
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
村川 猛彦 (田中猛彦) 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (90304154)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 学習支援システム / プログラミング / 繰り返し文 / 大学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
はじめに,for文に関する学生の理解状況の調査を実施した.Javaのfor文(単ループまたは2重ループ)について,変数の値がどのように変化し,反復において順に何を出力するかを,科目履修者(学部3年生以上)に解答してもらった.「int i = 1」の宣言にもかかわらず,i=1のときの値を出力しないという2重ループの正解率が52%と最も低くなったことなど,問題ごとの難易度の状況を把握することができた. 理解状況の調査と並行して,学習支援システムの基本機能を開発した.Webアプリケーションとして実現しており,ログイン(学生番号と氏名の入力),問題選択,タイピング,結果表示の順に動作する.タイピングについて,初期状態では打ち込むべき対象を薄い文字色にしている.タイプすると,正しく打ち込んだ文字が黒色に変わり,最後の文字まで打ち込めば,1問が終了となる.間違えたとき,誤タイプ文字を赤色で表示させ,バックスペースキーで削除しないと次の文字入力に進めないバージョン(修正あり版)と,赤色の表示を行わず削除を必要としないバージョン(修正なし版)を作成した. 後期の1年次プログラミング科目のC言語学習時(2019年10~11月)に使用してもらった.全12問を3回に分けて出題し,1クラスでは修正あり版を,他の1クラスでは修正なし版を使用させた.システムの使用および授業内容の理解により,タイピングの所要時間も誤タイプ率も低下することが期待されるが,問題ごとの平均の所要時間および誤タイプ数を算出した結果,その傾向に合致するのは修正なし版の平均所要時間のみであった.他が該当しなかったのは,後ろの回で提示した問題は,複数行などで複雑な内容であったためと考えられる. 誤タイプを含む各文字の入力間隔をミリ秒単位で獲得し,問題番号・解答者IDとともに,データベースに蓄積する機能も実装し,研究室内で動作確認を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画のうち,平成31年度の研究実施計画に述べた事項はおおむね達成できているため.
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Strategy for Future Research Activity |
令和2~3年度には,研究実施計画に基づき,問題の充実,授業での実施および分析,および解説やフィードバックによる学習支援機能の実装を行う.
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Causes of Carryover |
当該年度においては,研究室の学生のシステム開発が順調であったため,人件費・謝金(学生への謝金)の支出が予算よりも少なくなった.また2020年3月に予定していた出張が新型コロナの影響でキャンセルとなり,その分の旅費を執行できなかった. 令和2年度以降は,新型コロナの影響には引き続き注意しつつ国内・海外の成果発表を積極的に行うようにし,システム開発に関しては機能の拡充を図りながら謝金支出の執行に努める.
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