2020 Fiscal Year Research-status Report
人工無能を実装したマンモグラフィ用ポジショニングドールによるアクティブラーニング
Project/Area Number |
19K12268
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
後藤 佐知子 岡山大学, 保健学研究科, 准教授 (80243517)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アクティブラーニング / マンモグラフィ撮影技術教育 / コミュニケーションツール / 人工無能 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工無能とは,人工知能に対する用語で,人間が持っている知能をコンピュータ上で実現することを目的とした人工知能ほどインテリジェンスは無いが,自然な会話を行わせることによって「人間らしさ」を実現しようとアプローチ・学習させることを目的とする。英語圏ではchatbotと呼ばれ,会話ボットまたはおしゃべりボットとも呼ばれている。プログラム自体は単純であり,特段の技術,材料を必要としない。むしろ,何をどのように学習させるかによって「人間らしさ」に変容が生まれる点が,本研究にとって必要不可欠な要素である。そこで本研究では,人工無能(自動応答プログラム)というICTを活用することにより,①モンスター(自己中心)型,②不安訴え型,③ノーマル型にカテゴライズした応答特性を持つ模擬患者の仮想育成に挑戦する。また,これらのカテゴリーレベルはポジションニングドールに内蔵した圧迫センサーにより応答内容が適時変化するよう,連動機能を特化させる。これによって学生は,撮影に必要なポジショニングのみならず,圧迫によって痛みを訴える患者に対し,自身の知識を活用し如何に対応し行動するかを自己学習できる。この学習は反復する毎に結果が異なることになり,単純学習では得られない高い教育効果が期待できる。また,本件のマンモグラフィだけではなく,他のモダリティ検査にも適用可能である点で,大いに意義があると言える。 2020年度では,この人工無能による単純な対話アプリケーションの開発を行った。その際,主な機械学習用ライブラリとしてTensorFlowを採用 し,学習用言語ソースとして日本語版Wikipediaを利用した。機械学習のモデルとしては③ノーマル型を想定し,Word2Vecを用いて構築した。さらに,③ノーマル型モデルにおいて,単語抽出,分析を行い,「マンモグラフィ」に関連する一般人が持つであろう意識分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では,知的対話型アプリケーション等の開発はIT専門技術者へ依頼する予定であったが,予算の不足のため断念し,研究代表者が行った。開発プログ ラミング言語はPythonを採用したが,その開発環境の設定に予想外の時間がかかったため,予定していたポジショニングドールの開発まで計画通り進めることが できなかった。また,COVID‐19の感染対策として本研究における対象科目が全面オンラインとなり,計画していた学生調査が行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
機会学習のモデルを決定し,人工無能開発環境に実装する。次に,人工無能に疑似人格を持たせるため,模擬患者①モンスター型,②不安訴え型,③ノーマル型の学習用言語データベースを作成し,さらに,平行してマンモグラフィにおける模擬患者,模擬技師の行動シナリオを構想する。その際の課題として,学生は①どのような技術を,②どこまで,③どのように習得するか,についての項目を抽出し,教員はそれらを①どのように,②どこまで評価するか,の基準を抽出していく。模擬患者,模擬技師の行動シナリオを策定した後,シナリオに基づいて模擬患者①モンスター型,②不安訴え型,③ノーマル型のイカテゴリー別に対話アプリケーションを構築する。
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Causes of Carryover |
COVID‐19の感染対策により,計画していた情報収集のための学会活動,およびデータ収集が行えなかったため。 次年度もCOVID‐19の感染対策等による活動制限が予想されるため,機械学習の高速化の拡充を図る。
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