2019 Fiscal Year Research-status Report
Webニュースと補助教材,課題の精選を支援する小学校教師のためのNIE支援の実現
Project/Area Number |
19K12271
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
安藤 一秋 香川大学, 創造工学部, 教授 (60325321)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | NIE支援 / 小学校教師 / Webニュース / 教材準備 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,小学校でNIEを実践する教師を主な対象として,NIE教材の準備を支援する ための基盤技術の提案と支援システムの構築を目的とする.本年度は,以下に2つのテーマに取り組んだ. (1)教師のニュース記事選択に対する負荷を軽減するため,NIEに適したWebニュースを推薦する手法について提案した.本研究では,新聞社が発行するNIEワークシートに採用された記事に注目する.ワークシートに採用される記事は人手で選別されたものであるため,何かしら特徴が埋もれていると考えられる.そこで,ワークシートに採用された記事を教師データに利用して,機械学習により,各ニュース記事のNIEとして妥当性を判定する手法を提案した.評価実験により,87.6%の適合率,87.8%の再現率,87.4%のF値でNIEに適した記事を判定できることを示した. (2)一般の新聞記事は,児童にとって難しく,教師は補助教材を準備する必要がある.補助教材の準備を支援するため,教師が選択した記事に対し,記事内容や事象などを補足するコンテンツ(図,写真,グラフなど)をWeb上から収集し,記事との適応度や難易度,解説性などを推定しながら,補助教示として教師に提示する手法について検討した.NIE実践教師は,ニュース記事の補足資料として,仕組みを説明する図やデータをまとめたグラフ・表などを求める傾向があり,このような画像の周辺には,用語や事象・現象などを解説するテキストが存在する可能性が高い.そこで本年度は,初期検討として,画像周辺テキストの解説性の有無を判定する手法を提案した.実験の結果,75.0%の適合率,79.0%の再現率,77.0%のF値で,解説の有無を判定できることを示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の3つ目的のうち,目的の一つである記事推薦については,NIEワークシートを教師データに採用した機械学習モデルにより,87.6%の適合率,87.8%の再現率,87.4%のF値でNIEに適した記事を判定できる手法を提案できた.研究成果は国際会議に採択されると共に,手法改善や総合実験,汎用性実験を追加して,学術論文に投稿した. また,2番目の目的である補足資料の提示についても,Web上から補足資料を収集する手法は実装済みであるため,教材としての妥当性判定の初期検討として,画像周辺テキストの解説性を判定する手法の検討まで進めることができた.次年度は,国際会議への投稿を計画している. 以上より,全体評価をすると,おおむね順調に進展していると判断できる.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は以下の計画で研究を推進する. (1)教師が選択した記事の内容・事象を補足するコンテンツの収集と補助教材の提示システムの構築に向け,基礎技術の提案とシステム開発を継続する. (2)NIEワークシートのための記事に適切な課題タイプの推定と提示システムの実現に向け,NIEワークシートの収集と分析を継続する.そして,課題タイプ推定手法の検討を開始する.
|
Causes of Carryover |
理由:新型コロナの感染拡大に伴い,年度末に予定していた学会発表がすべてオンライン開催となった.そのため,予定外の繰越金が生じてしまった. 使用計画:次年度も学会はオンライン開催が増加すると考えられる.機械学習の計算量が増えていることから,システム構築および性能評価用のパソコンやサーバ類の購入等に充当しつつ,学会発表の参加費等に割り当てる.
|