2021 Fiscal Year Research-status Report
Webニュースと補助教材,課題の精選を支援する小学校教師のためのNIE支援の実現
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19K12271
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
安藤 一秋 香川大学, 創造工学部, 教授 (60325321)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | NIE支援 / Webニュース / 小学校教師 / 教材準備 / 画像コンテンツ / 言い換え / NIEワークシート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,小学校で新聞を活用する教育(NIE:Newspaper In Education)を実践する教師を主な対象として,NIE教材の準備を支援するための基盤技術と支援システムの構築を目的とする. NIEで利用する一般の新聞記事は小学生が読んだり理解したりするには難しい対象といえる.そのため,NIEを実践する教師は,授業の目的に適した記事の精選だけでなく,補足画像や資料などの補助教材を準備する必要がある. この状況を改善すべく,令和3年度は令和2年度に引き続いて,教師の補助教材の準備を支援するシステムの構築に注力した.提案システムは,①記事入力,②重要語抽出,③クエリ生成,④画像コンテンツ検索,⑤コンテンツ分類,⑥リランキング,⑦提示処理で構成される.昨年度までは,独立していたモジュールが存在したが,本年度はモジュールを連結し,システムとして動作する状態に仕上げた.しかし,新型コロナの影響のため,構築したシステムをNIEを実践する小学校教師に評価してもらうことができなかった.そこで,大学生による評価実験を実施し,提案システムの有効性と問題点を整理した. また,教師の記事精選の視点から「重要だけど難しい記事だから選ばない」を排除するためには,一般のニュース記事を平易に言い換える技術の実現も必要となる.そこで,これまでに構築していた言い換えデータセットを拡充するため,NHKニュースおよびNEWS WEB EASYサイトから新規に収集した記事対を対象に,それぞれの文対を求めるための文間類似度計算法について検討した. さらに,NIE教材の準備を支援するため,新聞社が公開しているNIEワークシートに再度注目し,選択された記事,問題文とその回答について分析した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は,新型コロナの影響,学内外の業務過多などの面から当該研究に対するエフォートを十分に確保することができず,計画の変更を余儀なくされた.また,小学校でNIEを実践する教師との意見交換の場だけでなく,システムの実評価も実施できなかった.さらに外部発表の件数も伸びなかったことなどの点を総合的に判断して,「遅れている」と自己評価した. この結果を受けて,1年間の研究期間の延長を申請した(1年間の延長が許可された.)
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度も引き続き新型コロナの影響は大きく,学内外の業務の増加のため,当該研究に対するエフォートを確保できなかった.そこで,研究代表者は研究期間の1年延長を申請した結果,期間延長が認められた.令和4年度は学内外の業務と研究バランスを再度調整した上で以下に取り組む計画である. まず教師が選択した記事の内容や事象などを補足するコンテンツの収集と補助教材の提示システムにおいて,各処理の性能向上およびNIE実践現場での評価を実施する.もし現場での実施が難しいようであれば,教育学部の学生や教員免許の取得を目指す学生などを対象に実験することも検討する. 次に,一般のニュース記事を平易に言い換える技術の実現に向け,データセットの拡充を継続すると共に,言い換え技術の検討を進める. さらに,NIEワークシートの分析を継続し,記事精選の支援に活用する.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:新型コロナの感染拡大に伴い,令和3年度も年度内に予定していた出張,学会発表のほとんどすべてがオンラインでの実施となり,旅費が全く発生しなかった.また,小学校で最終実験を実施する予定であったが,コロナ禍において小学校への出張も難しい状況であったことから謝金も発生しなかった.さらに,研究代表者の学内外業務の増加や体調面などの影響により,当該研究のエフォートを維持できなかった.以上の理由から,最終年度においても次年度使用額が生じてしまった. 使用計画:研究期間を1年間延長して許可されたため,次年度は研究代表者の業務計画を整理して研究エフォートを確保しつつ,最終実験の環境構築や学会発表等に関する費用として執行する.
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