2019 Fiscal Year Research-status Report
燃焼起源鉄を含むエアロゾルのエイジング過程の解明:海陸風循環を利用したアプローチ
Project/Area Number |
19K12297
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩本 洋子 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (60599645)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大気エアロゾル / 燃焼起源鉄 / 連続観測 / バルク化学分析 / 個別粒子分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
燃焼起源鉄を含む大気エアロゾル粒子のエイジング過程を解明する事が本研究課題の目的である。 燃焼起源鉄は主にサブミクロン領域のエアロゾル中に存在すると考えられるため、サブミクロン領域のエアロゾルを分級捕集できるナノサンプラを新たに導入した。ナノサンプラを用いたエアロゾル粒子サンプリング試験を東広島キャンパス(内陸サイト)で行い、捕集条件等を確認した。 内陸サイトでは、光散乱粒子計数器、凝結粒子計数器によるエアロゾル粒子数の連続観測システムを立ち上げ、2020年冬季より観測を開始した。なお、バルクのエアロゾルサンプリングについては、2019年春季より継続的に実施し、化学成分の分析条件の検討を行なった。 透過型電子顕微鏡(学内共同利用施設)によるエアロゾル粒子の個別粒子分析では、鉄を含む粒子の形態や結晶構造に関するデータを取ることができた。また、画像解析による鉄含有粒子の粒径計測を試みた。 製鉄所や船舶などの燃焼起源鉄の発生源に近い沿岸サイト(呉基地)では、2020年夏季の集中観測に向け、機器の設置・配線について現場を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は2019年度夏季に沿岸サイト(呉基地)において大気観測を開始する予定であったが、粒子計数装置の故障修理に時間を要したため、夏季の観測が実施できなかった。その代わりに、内陸サイト(東広島キャンパス)における観測・分析体制整備に時間を費やした。
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Strategy for Future Research Activity |
海陸風循環による大気エアロゾルのエイジング過程を捉えるため、2020年度は内陸サイトと沿岸サイトで夏季の集中観測を実施する。呉基地に隣接する製鉄所は2023年度上期を目処に設備を休止する事が2020年2月に報道された。2020年と2021年は、本研究で選定した観測サイトにおいて大気エアロゾル中の燃焼起源鉄粒子を効率的に観測できる最後の機会と考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Individual particle analysis of marine aerosols collected during the North-South transect cruise in the Pacific Ocean and its marginal seas2019
Author(s)
10.Yoshizue, M., Iwamoto, Y., Adachi, K., Kato, S., Sun, S., Miura, K., Uematsu, M.
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Journal Title
Journal of Oceanography
Volume: 75
Pages: 513-524
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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