2021 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管内治療患者の水晶体を自動追尾で防護する外付けX線遮蔽装置の開発
Project/Area Number |
19K12329
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
松原 俊二 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (60294675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
盛武 敬 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 准教授 (50450432)
石垣 陽 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 特任准教授 (50723350)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 水晶体被ばく / 脳血管内治療 / 水晶体遮蔽装置 / 白内障 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳血管内治療は器具の進歩、血管撮影装置の改善、患者身体への低侵襲性のため広く普及してきており、全国的に症例が急激に増加してきている。しかし全国12箇所の多施設共同研究による1000例以上の患者線量をRADIRECを用いて測定したところ、脳血管内治療を受けた患者では、4人に1人が水晶体の被ばく線量が白内障の閾値0.5Gyを超えること、疾患部位が眼球に近いほど水晶体線量が高くなりやすいこと、現在の臨床にあるリソースでは水晶体線量を効果的に低減できないことがわかった。 また前回の基盤研究Cにおいて、当院単施設での150例の患者被ばく線量実測調査では、1回の治療で水晶体被ばく線量が白内障の閾値500mGyを超えたのは1例のみであったが、100mGy超えは22例(24%)にも上り、繰り返し治療を行う可能性の高い脳血管内治療では、患者の水晶体防護が欠かせないことが明らかとなった(JSNET・JSRT合同頭部IVR診断参考レベル策定プロジェクト)。 さらに、2001年に国際放射線防護委員会(ICRP)が、白内障の閾値をこれまでの分割被ばくでの8Gyから、被ばく形式によらず一律0.5Gyにまで大幅に引き下げた。本研究は、患者の水晶体をシャドー・マスクで遮蔽するコンセプトを有した血管造影装置外付け型の患者水晶体遮蔽装置の開発で、その効果をシミュレーションと臨床試験から検証するものである。3年間かけて、アタッチメントの改善などを経て、正面管球、側面管球共に試作品は完成した。さらに製品化のために問題点を洗い出し、一般医療機器としての届け出を将来の目標としている。
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