2021 Fiscal Year Research-status Report
リボヌクレオチドが引き起こす重篤なゲノム不安定化の分子機構
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19K12339
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐々 彰 千葉大学, 大学院理学研究院, 特任助教 (10738347)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | DNA損傷 / 突然変異 / RNA前駆体 / ゲノム不安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
リボヌクレオチドは、ゲノムDNAの複製中にしばしばDNAポリメラーゼによってDNA中に取り込まれることがある。それらは通常リボヌクレオチド除去修復 (RER) によって除去されるが、RER欠損下ではゲノム上に蓄積したリボヌクレオチドによって様々な細胞異常が引き起こされる。本年度は、RERに必須の役割を果たすRNase H2の機能を低下させた細胞株の樹立を行った。樹立した細胞株におけるゲノム不安性性についてアルカリコメット試験、チミジンキナーゼ遺伝子突然変異試験、小核試験を用いて定量評価した結果、全てのエンドポイントで野生株に比べて顕著な上昇が示された。以上より、RNase H2を起点とするRERの欠損がゲノムグローバルなゲノム不安定化を引き起こすことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プラスチック製品・半導体供給不足の影響により、変異株の樹立ならびにゲノム解析の計画に遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
補助事業期間の延長を行い、当初計画に含まれている次世代シーケンス解析による全ゲノム変異解析を進める。
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Causes of Carryover |
消耗品・半導体不足の影響で、当初予定していた物品の購入・実験を次年度に見送った。また、感染症拡大に伴う緊急事態宣言によって、参加を予定していた学会・研究集会の現地参加を取りやめた。次年度使用額は、実施予定の実験試薬や学会参加費に充てる。
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Research Products
(11 results)