2020 Fiscal Year Research-status Report
長江河川から流出する浮遊マイクロプラスチックの輸送過程と集積域の特定
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19K12363
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Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
岩崎 慎介 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 研究員 (20834518)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マイクロプラスチック / ストークス・ドリフト / 三次元粒子追跡モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、人工衛星データの海上風(ASCAT)をマイアミ大学で開発された波浪モデル(UMWM)に与え、風波に伴う質量輸送(ストークス・ドリフト)を算出した。計算期間は2014年の一年間である。 本年度は、海洋再解析データ(HYCOM)の流速データを各水深(0, 2, 4, 6, 8, 10,12, 15, 20, 25, 30m)で取得した。また、取得した流速データと上記の算出したストークス・ドリフトと比較を行った。さらに両者を組み合わせることで、海洋表皮層の新たな三次元的流れ場のデータセットを構築した。 冬季の季節風が卓越する期間において、ストークス・ドリフトは再解析データの海面流速(すなわち、従来の海流系)に匹敵する大きさを持つことが分かった。したがって、ストークス・ドリフトが海洋表皮層を浮遊するマイクロプラスチックの挙動を大きく変えることが期待される。成果の一部は、日本地球惑星科学連合2020年大会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特段の問題は発生していない。
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Strategy for Future Research Activity |
構築した海洋表皮層の流れ場を用いてマイクロプラスチックを粒子と仮定した三次元粒子追跡モデルを駆動し、その輸送過程を調べる。そして、この結果からマイクロプラスチックの経路や集積域を特定し、環境汚染リスクの高い場所を明らかにする。以上の研究成果を取りまとめ、国内外の関連学会や国際学術誌にて公表する。
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Causes of Carryover |
ウェブによる会議が増え、当初予定していた旅費が節約できたためである。繰越し額は、計算機周りの設備強化に使用する。
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