2021 Fiscal Year Annual Research Report
長江河川から流出する浮遊マイクロプラスチックの輸送過程と集積域の特定
Project/Area Number |
19K12363
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Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
岩崎 慎介 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 研究員 (20834518)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 海洋プラスチック / マイクロプラスチック / ストークスドリフト / 長江河川 / 粒子追跡モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、昨年度に構築した三次元的流れ場(海洋表皮層の輸送系を組み込んだ)を用いて、マイクロプラスチック(MP)を粒子と過程した粒子追跡モデルを駆動し、MPの輸送過程を調べた。また、マイクロよりも大きなサイズ(メソやマクロ)のプラスチックにも着目し、そのサイズによる挙動や集積域の違いを明らかにした。その結果、プラスチックの輸送過程は、そのサイズによって大きく異なることが明らかとなった。MPは従来の海流系に従い、対馬暖流や黑潮により日本海や太平洋へ運ばれていくが、そのサイズが大きくなるにつれて、ストークスドリフトや風圧流の影響を受けやすくなる。そのため、MPよりも大きいメソプラスチックは、黑潮によって太平洋へと運ばれるものもあるが、一部が冬季季節風による南向きのストークスドリフトや、5月の黄海海高気圧による北向きのストークスドリフトの影響によって、南シナ海北部や黄海に運ばれる。さらに大型のプラスチックは、ストークスドリフトに加えて風圧流の影響が加わるため、メソプラスチックよりもその傾向が強くなることがわかった。自然界では、大型のプラスチックは紫外線や日夜の気温差、物理的な刺激によって、メソプラスチックやMPへと微細化する。大型のプラスチックは風圧流やストークスドリフトの影響によって、東シナ海の周辺海域に集積するが、それらの影響を受けにくい微細化したプラスチックは日本海や太平洋へ運ばれやすくなると考えられる。
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Research Products
(3 results)