2021 Fiscal Year Annual Research Report
地域特性に応じた処理水放流制御が受水空間に及ぼす影響と評価
Project/Area Number |
19K12371
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
山西 博幸 佐賀大学, 理工学部, 教授 (20240062)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 下水処理場 / ノリ養殖 / アンモニア態窒素 / 放流水 / 底泥 / 巻き上げ / 有明海 |
Outline of Annual Research Achievements |
一昨年度の水災害やコロナ禍の影響もあり,当初計画の調査が一部進んでおらず,対象水域内の栄養塩の拡がりとその供給量の把握のための調査を行った.河川上流端からの流入負荷調査を令和3年10月8日,10月20日に行い,SS,COD,TN,NH4+-NおよびTPを計測した.また,河口域の流出入負荷調査を令和3年11月2日の下げ潮最強時と上げ潮最強時の2回,断面内3カ所の流速測定と採水を行い,SS,COD,TN,NH4+-NおよびTPを測定した.その結果,①対象水域に接続する4つの河川上流端から受水域に流入する負荷量を計算したところ,COD負荷は32.68(kg/day),TN負荷は10.18(kg/day),NH4+-N負荷は3.06(kg/day)およびTP負荷は2.93(kg/day)となった.②河口域断面を介した水質輸送では,上げ潮・下げ潮とともに河口部右岸側に下水処理放流水の流入と思われるTN, NH4+-N濃度の高くなる水域が観測された.加えて,③上げ潮時には流れによる底泥の巻き上げにより下層付近で濃度の高い栄養塩の流入が観測された.さらに,④これまでの調査データをもとに有明海湾奥北部水域(佐賀市・本庄江川)と西部水域(鹿島市・鹿島川)における下水処理の季節別運転の効果について対象水域の物質収支から検討したところ,鹿島川河口域から有明海への流出負荷量は本庄江川の約3分の1程度であった.加えて,⑤鹿島市の季別運転によるNH4+-N濃度の正味の増分量{=(季節別運転時)-(通常運転時)}がおよそ15kg/dayであるのに対し,ノリ養殖による系外取り出し量が126kg/dayであった.佐賀市の場合,季節別運転によるノリ漁場水域への窒素負荷はノリの系外取り出し量と同程度であることを考えると,鹿島市の場合,ノリ漁場水域への窒素負荷は小さく,現状ではノリ漁場への寄与度も小さいといえる.
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