2019 Fiscal Year Research-status Report
超微量分析手法を基盤とした化粧品等に含まれる紫外線吸収剤の経皮免疫毒性影響の解明
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19K12373
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
角谷 秀樹 摂南大学, 薬学部, 講師 (00581414)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 紫外線吸収剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚は我々の身体の内外環境の境界を成しており、様々な物理的・化学的侵襲から我々の身体を守っている。とりわけ、紫外線による皮膚への刺激を軽減するために多くのヒトが日焼け止め等の化粧品を使用している。日焼け止めには紫外線を無害な熱エネルギーに変換する紫外線吸収剤 (UVSs) が使われており、これは安全であるとして用いられてきたが、近年、その一部が規制されてきている。さらに、UVSsのヒトの皮膚に対する毒性影響は、UVSsを単独で用いたときの刺激性・感作性しか評価されておらず、様々な基材を含む日焼け止めにおける複合的な影響は評価されていないのが現状である。従って、本研究では、UVSsが有するアレルギーの誘発・増悪性を包括的に解明することが急務であると推察し、機器分析学的手法と分子生物学・免疫学的手法を用いてUVSsの単独・複合曝露による皮膚免疫毒性影響を科学的根拠に基づいて立証し、安全性を評価することを目的とする。2019年度は、ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)を用いた遅発型モデルを用いて、種々の紫外線吸収剤の影響をスクリーニングした。その結果、一部の紫外線吸収剤がDNFB誘発性の耳介腫脹を増悪することを見出した。 2020年度は即時型モデルを用いて、さらなる解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は種々の紫外線吸収剤を用いて、それが有する皮膚アレルギー能をスクリーニングすることを目的とした。その結果、一部の紫外線吸収剤に遅発型の皮膚アレルギーを増悪することを見出した。従って、当初に予定していた研究通り、概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度の結果を踏まえ、2020年度では即時型モデルマウスを用い、さらなるスクリーニングを行う。さらにその結果に応じて、体内への移行量(皮膚透過量)のモニタリングも行う。
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Research Products
(20 results)