2021 Fiscal Year Annual Research Report
ウリ科植物-植物成長促進細菌複合系によるファイトレメディエーション機能強化
Project/Area Number |
19K12379
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
片岡 良太 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (00635104)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 植物内生細菌 / 植物生長促進効果 / キュウリ代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物生長促進内生細菌 (PGPE) は、生物防除や植物生長および収量の向上、汚染物質の分解を含む幅広い分野で研究が実施されてきた。内生菌を利用したファイトレメディエーションについても研究例が見られるが、植物-内生細菌複合系におけるファイトレメディエーションの相乗効果については十分に検討されていない現状にある。DDTに関しては、DDEのファイトレメディエーションが実施されたが良い結果は得られておらず、PCPも同様で、Nakamura et al. (2004) は、PCPの生物変換に対する根圏微生物の影響を調査したが、内生細菌については着目していなかった。そのため、本研究では、PGPEが、植物生長促進に伴い汚染物質の取り込みを促進できるかどうかを確認した。DDD + DDEおよびPCP汚染培地でキュウリを栽培しNo. 4菌株およびNo. 227菌株を接種すると、No. 4菌株およびNo. 227菌株の接種によってキュウリの生長は促進されたが、生長促進したキュウリはDDDおよびDDEの取り込みを促進することはなかった。しかし、PCPについてはキュウリの生長促進に対応した蓄積が観察された。このことから、No. 4菌株およびNo. 227菌株は、非汚染地での植物生長を促進するだけではなく、汚染地でもキュウリの生長を促進し、それによりPCPの取り込みも促されることが明らかになった。以上のように、内生細菌の利用は、キュウリの成長とバイオマスを高めることでPCPの取り込みを改善することが示唆され、キュウリに取り込まれたPCPは、別の内生細菌によって代謝され、その後のPCP分解につながることが考えられる。しかし、植物によるDDDおよびDDEの取り込みが促進されるという十分なデータが得られず、DDDおよびDDTを分解する内生細菌も発見できていない。
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Research Products
(1 results)