2021 Fiscal Year Annual Research Report
菌類を利用した新規なゴム分解酵素の探索から有機化学的手法を用いた解析への構築
Project/Area Number |
19K12389
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
清水 由巳 関東学院大学, 理工学部, 教授 (50725124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香西 博明 関東学院大学, 理工学部, 教授 (00272089)
清水 公徳 東京理科大学, 先進工学部生命システム工学科, 教授 (40345004)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ゴム資化真菌 / ゴム分解関連遺伝子 / クローニング / ゴム分解物 |
Outline of Annual Research Achievements |
① ゴム分解関連遺伝子のクローニングを行った。炭素源としてグルコースを用いた培地とゴムラテックスを用いた培地でゴム資化真菌を培養し、ゴムラテックスを用いた培地で特に発現量が多い遺伝子、約200遺伝子を選出した。ゴム分解酵素は細胞外に分泌されるはずである。そこで、選出した200遺伝子の塩基配列から、シグナルペプチド配列をもつ遺伝子を検索した。その結果、Hypsizygus marmoreusの場合では、発現量の多いものから27遺伝子選出できた。Phanerochaete sp. でも30遺伝子選出できた。 ② これら遺伝子の異種発現は、担子菌酵母 Cryptococcus neoformans のホストベクター系を用いた。その結果、H. marmoreus のタンパク質を C. neoformans 細胞で合成でき、さらに合成されたタンパク質は細胞外に分泌されたことを確認した。また、遺伝子配列中にイントロンが含まれていても C. neoformans 細胞内で除去され、タンパク質が合成されたことも確認した。現在、他のゴム分解酵素候補遺伝子についても、同様に C. neoformans のホストベクター系を用いたタンパク質の合成を試みている。 ③ H. marmoreus、Phanerochaete sp. はゴム資化真菌として分離してきたが、これら真菌をゴムに作用させた後、ゴムにどのような構造的な変化が起こったか解析した。スチレンーブタジエンゴムに両菌株を作用させたところ、Phanerochaete sp. ではNMR, FT-IRの解析結果より水酸基が付加されていることを確認した。ポリイソプレンに H. marmoreus を作用させたところ、分解物にイミダゾール類が多く含まれていることが判明した。さらに、菌株の違いによりゴムへの作用が異なることも明らかになった。
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Research Products
(2 results)