2019 Fiscal Year Research-status Report
水銀フリーフィルム型紫外線光源を用いた低透過率排水への適用に関する検討
Project/Area Number |
19K12390
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
高浪 龍平 大阪産業大学, デザイン工学部, 准教授 (00440933)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 紫外線分解 / 紫外線消毒 / 低透過率排水 / 排水処理 / 水銀フリー / 深紫外線光源 / 枯草菌 / PPCPs |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、水銀フリーフィルム型紫外線光源を用い、低透過率模擬排水を対象とした紫外線照射試験を行い、枯草菌の不活化およびPPCPsの分解・無害化に関する知見を得ることで、低透過率排水への紫外線処理の適用について検討を行っており、令和元年度においては以下の成果が得られた。 1、透過率を調整する材料の検討-実験に用いる模擬排水として、透過率を調整するための材料について検討を行った。透過率を阻害する材料として、インスタントコーヒーおよびチオ硫酸ナトリウムの2種について検討し、チオ硫酸ナトリウムにおいては、透過率の調整が容易であるのの、これらが光を散乱し、PPCPsの分解率が対照区よりも高くなるなどの結果を得た。これを受けて透過率を調整する材料としてインスタントコーヒーが適切であるとの結論に至った。また、インスタントコーヒーおよびチオ硫酸ナトリウムともにPPCPsの分析に用いるLC/MS/MSに影響がないことを確認した。 2、異なる透過率におけるPPCPsの分解-畜産等で使用量の多い動物用医薬品を用い、インスタントコーヒーにより透過率を調整した溶液の分解実験を行った。透過率が10%から1%に減少するとおおよその物質において分解率の低下がみられたが、分解率と排水の透過率との間の相関性を見出すには至らなかった。これは、対象物質のそれぞれにおいて結合等の化学的性質が異なり、紫外線による分解が一様でないことが要因であると考えられた。 3、異なる透過率における枯草菌の不活化-インスタントコーヒーにより透過率を10%および1%に調整した溶液に枯草菌を添加し、紫外線照射による不活化実験を行った。透過率10%と1%では生残率に10%程度の差が生じ、その差は照射エネルギーを変更しても同様の挙動を示した。これにより、枯草菌の不活化は排水の透過率と相関性があるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は令和元年度から令和3年度を期間とする研究であり、今年度は実施の初年度である。研究環境の整備からはじめ、分析機器のメンテナンス等を実施した。予想以上に環境整備に時間を要したものの、①透過率を調整する材料の検討、②異なる透過率におけるPPCPsの分解、③異なる透過率における枯草菌の不活化について知見を得ることができた。これは申請時に予定していたスケジュールに沿っており、進捗状況として「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年2月以降、感染症拡大防止の観点から研究活動が停止しており、活動再開が見通せない状況にある。今後の研究として、令和2年度については大幅な遅れを予想しており、研究期間の延長も検討している。
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Causes of Carryover |
令和元年度の支出において若干の残額が生じたが、不必要な購入を避け、次年度に繰り越しした。 現在、感染症拡大防止の観点から研究活動が停止しており、活動再開が見通せない状況にある。今後の研究費の使用計画についても見通せず、研究期間の延長も検討している。
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