2021 Fiscal Year Annual Research Report
水銀フリーフィルム型紫外線光源を用いた低透過率排水への適用に関する検討
Project/Area Number |
19K12390
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
高浪 龍平 大阪産業大学, デザイン工学部, 准教授 (00440933)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 紫外線分解 / 紫外線殺菌 / 排水処理 / 水銀フリー / 深紫外線光源 / 枯草菌 / PPCPs / 高度処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、水銀フリーフィルム型紫外線光源を用いた紫外線照射試験により、枯草菌の不活化およびPPCPsの分解・低分子化に関する知見を得ることで、低透過率排水への紫外線処理の適用について検討を行うものである。令和2年度は、感染拡大防止のため研究活動を停止したが、令和3年度は、研究期間における課題をすべて検討することができ、研究期間を延長することなく研究を完了することができた。令和3年度においては以下の成果が得られた。 1、石英製および樹脂製の紫外線反応装置におけるPPCPsの分解 紫外線反応装置は、紫外線透過率の高い石英管が一般的に用いられるが、コストと安全性を考慮し、樹脂製の管に置き換えることが可能かを検討した。紫外線透過率の高いアクリル樹脂を用いたPPCPsの分解試験から、石英に劣るものの、分解を確認し、樹脂への置き換えは可能であると判断した。しかし、当該の樹脂は耐熱性に問題があるため、更なる検討が必要である。 2、低透過率排水に対応する紫外線照射方法の検討 本研究で用いる水銀フリーフィルム型紫外線光源は、封入する蛍光剤を変えることで、発光波長を調整できる特徴を有するため、UVAからVUVの異なる発光波長によるPPCPsの分解試験を行い、高分子のテトラサイクリン系おいて長波長での分解(UVA→VUV)により、分解率が 8 % 向上し、長波長紫外線照射の有効性を確認した。これは、低透過率排水中の濁質のような高分子の物質が長波長紫外線で低分子化されることにより、効率的な分解が起こると考えられ、低透過率排水の紫外線処理は、長波長から低波長に移行する条件が有効であることを明らかにした。 これらの新たな知見を加え、紫外線照射による低透過率排水に対応する新たな下・排水の高度処理法の提案するに至った。
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