2022 Fiscal Year Annual Research Report
生物・凝集処理を同時に行う染料廃水の省エネ・ゼロエミッション型廃水処理装置の開発
Project/Area Number |
19K12392
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
多川 正 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 教授 (30390511)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 染色排水 / 脱色 / 共代謝反応 / 次世代シーケンサー / Chloroflexi門 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、無曝気・低コストである嫌気性微生物による染色排水の脱色システムの開発を目的とし、これまでに嫌気性DHSリアクター内に凝集処理を同時に行う機能を組み込み、染色原排水を用いた連続通水試験を実施し、脱色能力の把握を行った。実験ではタイの染色工場で実際に使用されている6色の染料を混合した排水を嫌気性DHSシステムに通水したが、顕著な脱色効果が見られなかった。そこで連続試験の前にバッチ式にて染料を供給した培養系を構築し、染料を分解可能な微生物叢の構築を行った。培養は(1)デンプン+6色染料の好気性条件、(2)デンプン+6色染料の嫌気性条件、(3)6色染料のみの好気性条件、(4)6色染料のみの嫌気性条件の4種類を構築し、長期間の培養を行った。定期的に4種類の汚泥を用いて、染料の脱色処理試験を好気性条件、嫌気性条件で実施した結果、(2)の培養条件が着色度600程度から300程度まで低減できることが判明した。また、追加研究にて共代謝基質を添加した脱色試験を実施し、タイ紅茶の抽出液は排水基準にて定められているCODcrの濃度上昇を抑えながら、脱色を促進する効果が観察された。さらに、(1)から(4)の培養汚泥について、次世代シーケンサーによる微生物叢解析により、染料脱色に寄与する構成微生物叢について調査した。主要な微生物種は、Euryarchaeota門、Actinobacteria門、Bacteroidetes門、Chloroflexi門、Chlorobi門、Firmicutes門、Proteobacteria門、TM7候補門であった。長期間の馴致培養によりBacteroidetes門、TM7候補門が減少し、特に(2)の培養系においてChloroflexi門の増加が目立った。
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Research Products
(4 results)