2020 Fiscal Year Research-status Report
スラウストキトリッドの脂質生産特性の評価と食品残渣のエコフィード化促進への応用
Project/Area Number |
19K12398
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中井 智司 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (80313295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西嶋 渉 広島大学, 環境安全センター, 教授 (20243602)
新居 隆浩 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (90804873)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スラウストキトリッド / エコフィード / 高度不飽和脂肪酸 / 食品残渣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、食品残渣を用いてドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコペンタエン酸(EPA)などの高度不飽和脂肪酸を生産するスラウストキトリッドを培養し、結果として得られる食品残渣と同微生物のバイオマスの混合物を、家禽生産物を高価値化させる飼料サプリメントとして利用する手法を確立することを目的としている。今年度は、高度不飽和脂肪酸の生成に好適な食品廃棄物を見い出すこと、サプリメントを家禽に給餌した際の鶏卵中のDHA・EPA含有量の増加挙動と鶏肉へのDHA・EPA移行量を評価することを目的とした。 海藻屑、醸造絞滓など5種の食品廃棄物を用いてスラウストキトリッド株を培養した結果、醸造絞滓AがDHA・EPA生産に好適であることを見出した。また、食品廃棄物を用いた非滅菌培養系において、初期のpHが4.2前後であっても、最終的には同株の至適pH6付近に達することを見出した。さらに、200L培養タンクで醸造絞滓Aなど食品廃棄物混合物を用いた同株の培養による得られたサプリメントのDHAとEPAの含有量はぞれぞれ概ね30~70 mg/g、N.D.~1 mg/gとなった。そして、醸造絞滓Aなど食品廃棄物混合物を用いたスラウストキトリッド株の培養により得られたサプリメントを10%の割合で家禽飼料に加えてレグホーン種家禽に1ヶ月間、自由飲食下で飼育した結果、サプリメント投与による鶏卵のDHAやEPAの含有量増加を確認した。また、鶏卵のDHA含有量増加にはサプリメントの添加が7日以上必要であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
食品廃棄物を用いて作成したサプリメントを実際に家禽類に給餌し、鶏卵中のDHA含有量が増加することを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
家禽類製品である鶏肉なども分析してDHA含有量の増加を評価し、本研究で提案するシナリオの実現可能性を検証する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症拡大により、発表予定であった国際学会がキャンセルとなったため。オンラインではあるが、次年度の国際学会に参加し、研究成果発表を行うこととする。
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Research Products
(3 results)