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2020 Fiscal Year Research-status Report

超音波援用した浸出法を用いた廃電子基板からの金属リサイクル新技術の開発

Research Project

Project/Area Number 19K12402
Research InstitutionAkita Prefectural University

Principal Investigator

梁 瑞録  秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (10315624)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywordsリサイクル / 浸出 / 超音波 / 廃電子基板
Outline of Annual Research Achievements

金属亜鉛の浸出:基礎研究として、粒径2.0~2.8 μm、純度99.9%の金属亜鉛粒体を実験試料とし、超音波援用した浸出および撹拌浸出を実施した。超音波援用した浸出は、周波数20KHz、最大出力200 Wの超音波ホモジナイザーを用いて行った。10分間の浸出で超音波援用した浸出率は攪拌浸出の28%程度から48%程度に上昇し、超音波援用した浸出の浸出速度および浸出率は攪拌浸出より高いことが分かった。攪拌浸出した後の亜鉛粒子はほぼ丸い状態で、表面に凹凸がなかったが、超音波援用した浸出した後の亜鉛の表面に凹んでおり、一部分の粒子は貫通された。これは超音波のキャビテーション効果によるものと考えられる。また、超音波援用浸出の浸出温度による亜鉛浸出率への影響は攪拌浸出の場合より小さいことが分かった。
廃電子基板の浸出:20 mm程度の実際のパソコン廃電子基板を実験試料とし、超音波援用した浸出及び静置による通常浸出で一回60分間の浸出を実施した。超音波援用した浸出は、周波数35 KHz、最大出力300 Wの超音波洗浄機で行った。完全に同様な試料を確保することが難しいため、一つの試料に対して超音波援用した浸出と通常浸出を交代して6回程度の浸出を行い、それぞれの浸出法の浸出量および合計値で浸出の促進効果を評価した。表面に銅箔が露出しておらず、はんだ付けによるはんだ多数点在している試料の浸出では、超音波援用浸出の金属浸出量はその前後の加熱浸出の浸出量より高いことが分かった。銅の浸出量は浸出回数の増加とともに増加したが、錫の浸出量は減少した。これは浸出時間が長くなるにつれ、基板表面のはんだは減少し、内部の銅は露出しているによるものと考えられる。超音波援用した浸出の浸出量は撹拌浸出の3倍以上と高いことが分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、初年度及び第2年度にかけて亜鉛、銅、鉛などの金属、磁鉄鉱などの鉱物および廃電子基板を供試料とし、塩酸、硝酸などの多種の酸で通常浸出および超音波援用した浸出を実施した。通常浸出では、金属の浸出率と酸の種類、攪拌の有無、温度などの関係を検討し、超音波援用した浸出では主に酸の種類、温度、浸出時間などの影響を検討した。単体の金属亜鉛粒状を実験試料とした基礎研究では、超音波ホモジナイザーを用いた超音波援用した浸出と撹拌浸出を行い、浸出率および浸出速度と浸出温度、浸出時間、酸の濃度、超音波の出力との関係を明らかにした。また、浸出残渣の外観から超音波援用した浸出の促進は主にキャビテーションの粉砕効果によるものと推測した。また、廃電子基板の超音波援用した浸出では、金属全体への促進効果が確認でき、金属間の浸出促進の相違や基板表面と内部の浸出促進の相違が認められた。本年度までにこれらの基礎的な検討が実施できており、研究はおおむね順調に進展したと評価される。

Strategy for Future Research Activity

今までの成果をふまえ、アルミニウムなどの金属、閃亜鉛鉱などの金属鉱物、廃酸化セリウム研磨剤、廃電子基板などを供試料とし、通常浸出および超音波援用した浸出を行う。超音波援用した浸出では、超音波ホモジナイザーとバス型超音波洗浄器による浸出の相違を検討する。廃電子基板を酸で浸出しても樹脂内部にある金属の浸出速度が遅く、浸出率が低い問題があるため、引き続き廃電子基板内部の金属の浸出促進効果と基板の構造の関係を検討し、表面と内部の金属や、金属の種類による浸出促進効果の相違を明らかにする。また、超音波援用した浸出では水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ溶液や過酸化水素などの酸化剤を用いて浸出促進効果を検討する。そして、熱力学的観点および拡散モデルから超音波援用した浸出のメカニズムを検討する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 超音波援用した浸出に関する研究2020

    • Author(s)
      劉 怡萱、 倉橋 祐之介、 呉 テイテイ、 梁 瑞録
    • Organizer
      資源素材学会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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